感動!珍しい、人形浄瑠璃と筑前琵琶の共演!

joruri - 1

こんにちは!
福岡・糸島に戻ったのぎー&かなです!
先日、1月17日は地元の伊都文化会館で、「人形浄瑠璃と筑前琵琶の共演」があるというので、観賞に行きました。
なんと、無料!太っ腹です。

浄瑠璃といえば・・・

浄瑠璃といえば、江戸時代の劇作家「近松門左衛門」が有名ですね。

ちょうど今松尾スズキさんが主演でNHKで「ちかえもん | NHK 木曜時代劇」という、連続ドラマをやっているので、ある意味「旬」ですね!

浄瑠璃とは、三味線の音色に合わせた抑揚をもって、「語る」ことです。これに人形芝居が加わったのが、人形浄瑠璃で、2009年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
大阪発祥なのにも関わらず、橋下知事の時代には補助金廃止騒動があって、苦境に立たされた記憶も新しいですね。

私も、実は人形浄瑠璃は初観賞なので、超楽しみです。

巧みな人形使いと美しい音色の琵琶

早速始まりました!

まるで人形が生きているかのよう!

 

joruri - 1
↑人形遣いは、勘緑(かんろく)さん。人形の陰で見えませんが。笑。

知らなかったのですが、人形浄瑠璃は3人で操るのが基本とのこと。
最初は、人形より人形遣いの皆さんの動きに気を取られていたのですが、だんだん慣れてくると、音楽に合わせて、生きているかのように動く人形に釘付けになります。

「は〜、まるで人形に魂が入っているみたいだな〜」

思った以上に、どんどん引き込まれていきます。
後で解説をしてもらったのですが、向かって左側の人が、いわゆるリーダーで全体の動きを決定するそうです。しかし、人間腕は2本しかないので、頭部と右手だけを直接操ります。真ん中の人が、主に足、右側の人が左手を操ります。

基本的にはアドリブの世界で、例えば、リーダーの人が人形の左肩を少し下ろすと、左手を動かす合図になるなど、3人が一体となって人形を動かします。

joruri - 2
↑客席を練り歩く人形

うむ、真ん中の人が動き的には超大変だなぁ。いつも中腰で、人形が歩くときには、効果音のため、ドン、ドンって床を足踏みします。痛そー。笑。

初めて聴いた筑前琵琶

joruri - 3biwa
↑筑前琵琶奏者の尾形蝶嘉(おがたちょうか)さん

そして今回の目玉は、「筑前琵琶」です。奏者は福岡出身の尾方蝶嘉さん。
普段は浄瑠璃は三味線だと書きましたが、浄瑠璃は元々琵琶で語るものだったそうです。筑前琵琶は明治期に福岡で誕生した比較的新しい楽器です。

優しい音色が特徴で、普通、琵琶はくわの木を使って作るそうですが、筑前琵琶の場合は、表に桐を使っているのが特徴です。またフォルムが美しいですね〜。

琵琶を見ていて気付いたのですが、「半月」と呼ばれる、2つの三日月がものすごく目立ちます。
世界一周旅行中に、トルコやモロッコなどのイスラム圏に行った私としては、月はイスラムの象徴でもあるな〜と思いました。
そう思っていると、なんと、琵琶は中東由来の楽器だというじゃありませんか!

時や場所は変わっても、名残ってのはあるんですね〜。

 

初めて聴いた筑前琵琶の音色は、艶があるというか、色っぽさがありました。古臭さがない音色で、もしかしたらギターなどの現代的な楽器とも相性がいいかもしれませんね。

そして、歌が超うまい!伸びやかな声で、聴いていて心地がいいです。
演奏に加え、歌も!ってことは、琵琶奏者になるのはものすごいハードルが高いなぁと感じましたが、逆に言うと、こうやって第一線で活躍される方は、めちゃくちゃうまいってことでもあります。そうじゃないとプロにはなれない感じですね。すごい世界だな。

joruri - 4fue
↑横笛の藤舎元生(とうしゃげんしょう)さん

そして、もう一人のゲストが横笛の藤舎元生さん。

福岡出身の方で、福岡市の依頼で世界中でパフォーマンスを行っておられる方です。役者が揃ってますね。このイベント無料ですよ!

最後に横笛と筑前琵琶の演奏をバックに、人形浄瑠璃が行われました!

joruri - 5

人形が櫓の上に登るという、意表をつく演出も見事で、横笛と筑前琵琶だけとは思えないほどの豊かな音の広がりにびっくりしてしましました。
勘緑さんも最後に感極まって泣いておられましたが、観客の皆さんも終演後「良かった!」「良かった!」と口にしていました。

確かに素晴らしかった!
人形劇は、生身の人間とは違って、自分では動けませんが、その分、生身では出来ないダイナミックな動きで、感情を表現することが出来ます
来て良かったなぁと思います。

大阪や東京では定期的に人形浄瑠璃は見れると思いますので、興味ある方は是非!

浄瑠璃って誰でも出来るの!?

人形遣いの勘緑(かんろく)さんは、大阪の文楽座に長年在籍した後に、文楽の可能性を追求するためにフリーで活動しておられます。
すごいことに、2011年に勘緑さんの活躍のおかげで福岡には、『筑前艶恋座』という、一般市民が人形浄瑠璃を行う団体が出来ています!
糸島でも、伊都文化会館の自主事業として「勘緑塾」が開催されていて、定期的に浄瑠璃に触れることが出来ます!
やろうと思えば、誰でも出来ます。

すごいですね。芸術は古今東西を問わず、誰かが「パトロン」にならないと成り立たないものです。
やっぱり、芸どころ「福岡」ですね。「面白い!」と思ったらすぐ飛び付く人がいっぱいいます。だから芸能人が多いのかもしれません。

それにしても、今回の人形浄瑠璃・筑前琵琶・横笛の共演は、この3人で全国回れるんじゃないかなぁって気もするぐらい、本当に良かったと思います。
ぜひまた観たいなぁ。