こんにちは!
夫婦で一年間の世界一周旅行の後、福岡県糸島市で、
ゲストハウス「前原宿(まえばるしゅく)ことのは」を運営する、のぎー&かなです。
本日もブログ訪問ありがとうございます!
さて、「フランス」で2015年5月31日に、私たちが体験したお話です。
フランスでは日曜大工が当たり前!
今日もフランス・トゥールーズにいます。
現地のりえちゃん&ステファン友人夫妻にお世話になってますが、今日は「特別」にステファンの実家に招待されて、料理上手なママの手料理やローカルな観光が楽しめるとのこと!
貴重な体験が出来そうで有難いです!
まずはステファンのパパの車で市(マルシェ)に寄って、パンやチーズの買い出し。
フランスでは定期的に、地域の広場や専用のスペースで、市が開催されるのが普通です。
そして、ステファンの実家に着きました!
おー、テラスがある!かっこいい!
ものすごく新しく見えたので、「最近建てたの?」と聞いたら、ステファンは「自分が子供の頃からある」とのこと。
「マジ!?」と思いましたが、フランスでは日曜大工は当たり前のことで、パパが休日にコツコツと作り足していたそう。ステファンが実家に住んでいた頃はまだテラスは窓ガラスで覆われてなかったらしいです。
本格的すぎるー。
フランスのホームセンターでは何でもキット化されて売られているので、買ってきて取り付けるらしい。巨大なプラモデルだな。
日本でもキット化すれば売れるんじゃないかな。需要はありと見た!
ステファンの実家の周りは、小麦畑が広がる超のどかな世界。めっちゃのんびりできます。
そして、庭は家庭菜園!豆などの野菜やさくらんぼの木がいっぱいあります。
家庭菜園して、家作って〜ってのが仕事引退後の楽しみにしている人も多いみたいですね。いいなぁ。その生活。
自家製の食材と保存食のランチ
さてランチです。
まずは、蟹のペーストのバゲット載せです!
アルコールがすすみます。サンセバスティアンから続く、フィンガーフード文化は、おしゃべりしながら食べるにはもってこいですね。
次は、庭で採れたそら豆のポタージュスープを頂きました。
「庭で採れる」って最高の贅沢な気がします。東京に住む人がいくらお金払ってもなかなか実現しない話ですからね。
そら豆独特の苦みと甘みが感じられますねー。おいしい。
そして、アリコジョヌ(黄色いインゲン)の炒め物です。
去年の夏に、畑で採れたものを瓶詰め保存したものを取り出して料理に使ってくれたそう。
アリコジョヌって初めて聞きました。日本ではポピュラーじゃない食材に出会えると嬉しいですね!
甘みがあって、おいしい!
それにしても保存して、ほぼ一年持ってます。瓶詰めってすごい!
フランスでは「保存食」が食事の「肝」です。とにかく何でも大量に「瓶詰め」を作って、食材をムダにしないそうです。
瓶詰めは数ヶ月から数年は持つらしく、「専用の倉庫」を持つのが普通のようです。そして、時々料理に加えて使うとのこと。
いやーとても面白い文化です。
さて、メインはチキンの丸焼きです。
お腹いっぱいと思っていても、パクパク食べちゃう!
これは、オニオンとチキンにスパイスを加え、鴨油で焼いたそうで、チキンが超ジューシーで、フォークで簡単に肉が取れます。
「鴨」もフランス南西部の名産で、フォアグラが有名ですが、使える部位は何でも使うそう。油だってこうやって活用するわけです。
ちなみに、鴨油は肉を保存する時も使います。肉を油に漬けると空気に触れないため、保存が可能になるみたいです。
ホント、知恵ですね。
そして最後にケーキ!
これまたお庭で採れたサクランボを使ったケーキです!
いいなぁ。サクランボの木が欲しい。
これは、「クラフティ」といってフランスでは定番中の定番ケーキだそう。
おいし〜〜。サクランボの酸味がめっちゃいいかんじ。あんなに食べたのにまだ食べれる!
甘い物は別腹です。
さて、食事が一段落したところで、近くにある湖へ連れて行ってくれることになりました。
何から何までお世話になりっぱなしです。ありがたい!
トゥールーズ市民憩いの湖
「Le lac de Saint-Ferréol」という湖に連れて行ってもらいました。
トゥールーズ市民憩いの湖で、釣りする人や水着を着て泳ぐ人、散歩する人など、みんな好きに遊んでいます。
この湖は、高低差を利用した噴水が有名みたいです。天然のシャワーってかんじでめっちゃ気持ちいい。
せっかくなので、みんなで湖畔を散歩します。ディナーへ向けて、お腹を空かせるためのエクササイズです。笑。
ステファンとお父さんが林の中から木の枝を拾ってきました。
何に使うんだろうと思っていると、なんと急に、「青空教室」が始まりました。
かつてフランスでは、貿易上の理由から大西洋側のボルドーと地中海側のセット (Sète) を繋ぐ運河を作ったのですが、その中継地点がトゥールーズあたりにあって、この湖を含む複数の湖から水を引っ張ってきて、運河を完成させたそうです。
そういう説明を、木の枝で地面に書いて教えてくれました。ありがとう!
時々、自転車に乗ったおばさんとかやってきて、運河を破壊していきましたが。笑。
食材の宝庫!フランス南西部のディナーを堪能!
さて、お家に戻ってディナーです。
まずは、フダンソウ(bette)(地中海の植物)のソテーです。
フダンソウも初めて食べるかもしれません。日本にないわけではないのですが、スーパーではそんな見かけませんね。
ビートの一種みたいで、けっこういつでも食べられるみたいです。
ちょっとした苦みがあって、癖になる味です。
滅多に食べれない食材を味わえてラッキー!
さて、お次は、Cou de canard farci (鴨首の中に豚の詰め物をしたもの)です。
もはや日本じゃ食べれないような料理ですね。まず、「鴨首」ってすごいですよね!
使える部位は何でも使うんです!
確か、これも油に漬けて保存してあった肉だと思います。だからけっこうヘビーです。
でも自分は大好きだったので、けっこうパクパク食べてました。女性はきついかもしれません。
そして、締めはチーズの盛り合わせとワイン!!
ワインもフルーティーでめちゃくちゃ飲みやすい!
そして各種のチーズ。とりわけ美味しかったのが、「ロックフォールのブルーチーズ」!
青カビのチーズですが、ロックフォールは、トゥールーズ近郊の、ある村でしか生産が出来ない、超稀少チーズです。
村の洞窟にしかいない菌を使って、洞窟内で熟成させるそうで、超手間暇かかっています。
普通日本で手に入るブルーチーズは、菌を吹きかけて作るそうです。だから味が尖った感じで、食べられない人も多いようですが、ロックフォールはまろやかで甘みもあります!これならブルーチーズ嫌いの人でも食べれるはずです!
本当に素晴らしい料理をありがとうございました!
とにかく、フランスでは「保存食」の伝統が根付いていてビックリしました。
南米は豊かすぎるので、「果実が熟して、地面に落ちても、『食べきれないし、また来年もみのるから放っておけ〜』」って文化だったし、日本は醤油や味噌、梅干しなど、世界に誇れる保存食文化があると思いますが、わざわざ「専用の倉庫」作るほどの規模ではありません。
世界に名だたるフランス料理は、この「保存食」文化が根っこにあると確信しました!
また、肉は油漬けを食べるときはさらに加工する(炒めるなど)わけだから、そりゃ「重い」はず。肉自体の脂肪もあるでしょうし。
油も鴨やガチョウの動物性の油だし。本来フレンチが重いのは当然。
だから、みんなで、脂を流してくれるおいしいワインを飲みながら、おしゃべりしながら、のーんびり食べるのがフランス料理の本来の楽しみ方だと思います! 早食いなんてするもんじゃないです。
「フレンチはデートで行くもんだ」って思い込んでいると、この楽しさは分からないかもしれません。
あとソースも肉を炒めたあとの残り汁を使うみたいですね。保存食の伝統を見る限り、本来フランスはかなり貧しい地域だったと思います。「絶対に何も無駄にしない」という姿勢が感じられます。こういうのは、農業・産業が発展した豊かな現在では、レストランでは見えにくい姿勢で、やっぱり家庭料理にしか色濃く残ってないと思います。
本当にラッキーな1日でした。ステファン&りえちゃん、ステファンのご両親、本当にありがとうございました!
私たちの一年間の世界一周の軌跡が、皆さんのお役に立てれば幸いです。
**今度は私たちがゲストをもてなします!**
福岡・糸島ゲストハウス
前原宿(まえばるしゅく)ことのは
(Itoshima Guesthouse Kotonoha)