こんにちは!
要注目の観光地・福岡県糸島市で、
ゲストハウス「前原宿(まえばるしゅく)ことのは」を運営する、のぎー&かなです。
本日もブログ訪問ありがとうございます!
先日所用で京都に行った折に、どうしても行ってみたいレストランが大阪にあり、立ち寄らせて頂きました。
梅田のスカイビルの足元にある、アルトトリトーネ(Alto Tritone)さんです。
小さな、しかし偉大な大阪のイタリアンへ
アルトトリトーネさんは知る人ぞ知る名店です。
他のお店では簡単に食べられない、手打ちの生パスタが食べられます。
外観
大阪の繁華街・梅田の駅近くにお店はあります。
ただ、お店がある駅北は、再開発中の貨物駅跡地の向こう側にあるので、少しアクセスが悪く、都会にぽっかり空いた隙間のようです。
↓外観
そんな、どこかのんびりした雰囲気の通りを歩いていると、通りの角からホッとする明かりが私たちを迎えてくれました。
↓ロゴがおしゃれ
影が綺麗に落ちたロゴマークがおしゃれですね。
かつては別の場所で、もっと大きな店舗で営業されていたそうですが、一皿一皿にもっと向き合って食事を提供したいと、規模を小さくし、この地に移ってこられたそうです。
内観
↓内観
カウンターの上の淡い緑色の壁が目を惹きます。
シンプルな木のテーブルと黒いソファが落ち着いた雰囲気を感じさせます。
メニュー
早速、メニューを拝見します。
前菜からメインまで一通り揃っているイタリアンのお店ですが、なんといっても手作りの生パスタが他にはないメニューになります。
↓生パスタの説明
イタリア各地の郷土料理ですね〜。
私たちもイタリアは2週間ほど滞在した経験があります。(イタリア滞在記もチェック!)
しかし、タリアテッレもキタッラ、ガルガネッリ、コルツェッティも全然知りません。
まぁ、滞在したのが主にシチリア・ナポリ・ローマだったので、そのあたりでは食べられないのかもしれません。
まさに郷土料理で、なかなか本場でも提供しているお店は少ないのかもしれません。
そんな料理が日本で食べられるなんて!!!
↓生パスタメニュー
うわ〜!楽しみです。
麺を楽しめるように、あまり具材をいっぱい使わずに、ソースとシンプルな食材のみで提供されているようです。
私たちは、お腹の具合を見ながら、パスタ4種類に挑戦しました!
これぞ本物のレストラン!イタリアの文化を伝える、日本のイタリアン
シェフの安藤さんは、70歳を超える超ベテランです。
お話を伺うと、安藤さんがイタリアンを始めた頃は、日本には日本人でイタリアンレストランをやっている人はほとんどいなかったそうです。
まさに日本のイタリアンの第一世代です。
その当時はおそらく、外国料理といえば、アメリカのハンバーガーとか中華料理くらいしか一般には知られていなかったかもしれません。
シェフがこだわるのは、生パスタです。
多くのイタリアンでは保存の効く、乾燥パスタを使っていると思います。
生パスタはその日の気温や湿度を感じながら、材料の配合具合も調整しなければならない、難易度の高いパスタになりますが、独特のもっちり感があって、乾燥パスタとは食感が全く異なります。
最近は生パスタを使うイタリアンも増えていますが、機械を使って作るお店がほとんど。
アルトトリトーネの場合は、タリアテッレなどは「手打ち」で作ります。
まさに郷土料理そのままの作り方。マンマの味です。
そこまでこだわったパスタを提供するお店が日本にどれほどあるのでしょう・・・
↓ワインで乾杯
まずはワインで乾杯です。
さっぱりとして香りが高く、飲みやすいです。
気分が盛り上がります。
キタッラ(Chitarra)の作り方
キタッラはアブルッツォ州の郷土料理です。
イタリア中部のアドリア海に面した地域ですが、日本でも名の知れた街があるわけではないので、普通の日本人は訪れないエリアだと思います。
ということは、イタリア行ってもなかなか食べれない料理とも言えます。
アルトトリトーネでは、注文をすると、なんと目の前での麺のカットから始めてくれます!
↓オリジナルのカットマシーン
写真のカットマシーンをキタッラと言います。
まるで弦楽器のハーブみたいです。ピアノ線がびっしりと張られています。
これはシェフのオリジナルです。
本国で使われているのは、もっと間隔が広いようです。
買ってきたとかじゃないところが凄すぎです。
↓綺麗に並んだピアノ線
知らない人が見たら楽器と思うでしょう。
そのピアノ線の上に、延ばした生パスタを置いて、その上に棒を転がすことで、細断していきます。
↓パスタ細断中
作業の様子を動画で撮らせて頂きましたので、ご参考に。
おお!
思わず声をあげてしまいます。
綺麗にパスタがカットされていきます。
↓カットされたパスタ
↓お皿に盛られたキタッラ
細いですね〜。
凄い技術です。
実は、アルトトリトーネのカットマシーン「キタッラ」は、幅を変えて何種類もあります。
↓複数のキタッラ
普通は1.2mmくらいのキタッラを使うそうですが、中には0.5mmと驚異的な細さのキタッラも!!
神業ですね。
多分、イタリア人でこの細さのキタッラを作れる人はほとんどいないでしょう。
ある意味本国を超えているんじゃないかと思いました。
日本の地でイタリアの文化を発展させておられますね。凄いです。
↓0.5mmのキタッラ
弦が細すぎて、まるでフィルムのように光を反射しています。
もはやアートですね。
キタッラ(Chitarra)の味わい
↓キタッラ生麺レモンソース
レモンソースにチーズが降りかかっています。
これも初めて聞く組み合わせです。
↓モッチモチの生パスタ
持ち上げるだけでもモッチモチ感が伝わります。
一口食べるだけで、レモンの爽やかな香りが口中に広がります。
お〜。初めての風味です。
美味しい〜!
レモンだから酸っぱいのかと思いきや、むしろ酸味は抑え気味なので、とても食べやすいです。
キタッラでカットされた生パスタは、機械で作られた麺とは違い、表面がザラザラしているので、ソースやチーズがよく絡まり、独特のモチモチ感も合わさって、麺を芯から味わっている感覚になります。
乾麺が悪いとは思いませんが、乾麺の場合、麺の味わいは「生」に比べるとどうしても薄く、実は麺より具材を味わっていたのだということにも気づきました。
麺を楽しむパスタ。
本当に初めての感覚です。
手作りの生パスタを全種類制覇する!
アルトトリトーネの生パスタは主に4種類あります。
わざわざ大阪に来たのですから、勢いよく全種類制覇します!
完全手打ちパスタ「タリアテッレ(Tagliatelle)」
あ
↓タリアテッレの作り方
タリアテッレは、まさに「手打ちそば」の要領で作る、生パスタです。
「完全」手打ちパスタというだけあって、機械を使わず、純粋に手作りのパスタです。
小麦粉と卵だけで作る、超シンプルなパスタです。
手打ちゆえに、1日6食が限度。
写真の一枚の大きさが6食分に当たります。
だから、必然的に6の倍数でしか作れないんですね。6食の次は12食。
完全に家庭料理なので、日本でこのようなやり方でタリアテッレを提供するお店は数えるほど。
貴重です。
かつて、イタリアの一部の地域では、この麺棒は花嫁道具の1つだったそうです。
↓タリアテッレ手打生麺濃厚カルボナーラ
タリアテッレでカルボナーラです!!
麺のうねり具合が美しいですね〜。
一口食べて、麺の歯切れの良さにびっくり。
美味しい!
麺にも卵を使っていて、ソースにも卵なわけですが、どういうわけか全く卵くさくありません。
後で話をお伺いすると、材料は卵と小麦だけで、水すら使わないので、卵には本当にこだわっているとのこと。
最初は全国各地から卵を取り寄せて、どの卵が良いか研究を重ねられました。
現在は、愛知県から取り寄せた卵を使っておられるそう。
その卵は「白身まで良い味がする。普通の卵は白身に味は感じないので、そんな卵はなかなかない」とのことです。
確かに、しっかりコクがある麺とソースなのに、卵くさくなく、「麺」をちゃんと食べている感覚になります。
卵麺は時折、卵の香りが強すぎて、麺ではなく、卵を食べている感覚になる時ありますからね〜。
本当に素晴らしいカルボナーラです。
ガルガネッリ(Garganelli)
お次はガルガネッリです。
これは、エミリア・ロマーニャ州の郷土料理です。
この州にはボローニャやパルマなどの有名な都市もあるので、訪れたことがある人も結構いらっしゃるのではないかと思います。
↓ガルガネッリの作り方
ガルガネッリの作り方も、テーブルのそばで解説してくれます。
溝が彫ってある台の上で、麺棒を使って、クルクルっと巻いていきます。
普通、イタリアでは、巻いている部分は最大でも「一重」くらいなんだそうですが、アルトトリトーネさんの場合は、食感の違いを出すために一部「二重」になっている部分があります。
本国のパスタにさらに一工夫を加えた、オリジナルのガルガネッリです。
↓ガルガネッリのゴルゴンゾーラソース
お〜。モッチモチで不思議な食感です。
面白い〜。
麺が重なっていない部分、一重・二重の部分がありますので、噛む位置が変われば、食感が変わります。
麺の外側は溝があるので、ソースもよく絡まります。
ゴルゴンゾーラの香りは少し控えめです。
個人的にゴルゴンゾーラソースは、もっと青カビの香りが強いのが好みなのですが、ただ、その香りが苦手な人も多いので、これもありかなと思います。
食感が面白くて、一つ一つをしっかりと味わって食べてしまいました。
コルツェッティ(Corzetti)
最後はコルツェッティです。
リグーリア州の郷土料理です。
フランスに隣接するエリアで、港町で、ジェノバという都市があります。
バジルを使ったジェノベーゼソースで有名ですね。
↓オリジナルスタンプ
まるでロシア人形の「マトリョーシカ」風の可愛いオブジェは一体何でしょうか?
・・・
・・・
答えは「型抜きスタンプ」です。
↓オリジナルスタンプの使い方
それぞれ模様が彫ってあって、スタンプではさみ込んで、パスタをこれで型抜いていきます。
↓コルツェッティのペーストソース
バジルペーストです。
小麦粉と卵に加え、水を加えて作った麺なので、プリップリです!!
バジルの香り高く、爽やかな香りが鼻を抜けていきます。
また使っておられるオリーブオイルも上品かつサラッサラで胃に負担がありません。
味わいの邪魔をしません。
本当に面白いです。
イタリアの食の豊かさを感じさせる逸品ですね。
ティラミス
これだけ食べればお腹いっぱい(普通、パスタ4品をお店で頼むことはない!笑。)なのですが、デザートは別腹なので、最後にティラミスを。
↓ティラミス
ティラミスも美味しい!!!
しっとりとした甘みで、締めにはぴったりです。
デザートまで抜かりがありません。
今回は食べませんでしたが、お店にはパスタ以外にも肉料理などのメインがちゃんとございます。
とにかく本当に素晴らしいお店で、イタリアの文化を伝え、しかも日本でそれを発展させようという気概がしっかりと感じられ、本当に感銘を受けました。
すごいお店です。
大阪に行く機会あればぜひ寄ってほしいと思います。
記念写真
↓シェフを囲んで
そもそもなぜこのお店を知ったのかと言えば、福岡・糸島で完全手打ちのタリアテッレのお店を友人がやろうとしていて、料理学校時代にトリトーネさんで皿洗いをやっていたと伺ったからです。
つまりアルトトリトーネさんは彼の師匠のお店なんですね〜。
お店の卒業生はたくさんいらっしゃると思いますが、師匠と同様に手打ちのパスタを提供しているお店はあまりないと言います。
よほどこだわりがないと大変な営業形態なんでしょうね。
師匠も新しい土地でこれから頑張ろうとする彼を応援しておられました。
文化はこうやって広がっていくんだろうなと感じました。
素晴らしい経験でした。
ありがとうございました!
店舗情報
店名:アルトトリトーネ(Alto Tritone)
営業時間:17:30-22:30(L.O.22:00)
定休日:月曜(不定休:祝日)
住所:大阪市北区大淀南1-4-20 長谷川ビル1階
HP:http://altotritone.jp/
地図:
(※2018年12月現在の情報です)
明日も糸島を楽しみます!!
**糸島コンシェルジュがいる宿**
福岡・糸島ゲストハウス
前原宿(まえばるしゅく)ことのは
(Itoshima Guesthouse Kotonoha)