伝統の博多祇園山笠は海洋民族の祭り!?

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こんにちは!

要注目の観光地・福岡県糸島市で、
ゲストハウス「前原宿(まえばるしゅく)ことのは」を運営する、のぎー&かなです。
本日もブログ訪問ありがとうございます!

先日は早朝から博多へ繰り出しました!
なぜかというと、博多祇園山笠のフィナーレ「追い山」が朝の4時59分からあるからです!
少なくとも770年以上続く伝統行事ですが、福岡では山笠が終わると「夏本番」ということで、夏の風物詩的存在です!

追い山って何!?

山笠って、名前は聞いたことあるけど、地元の人じゃなければ生で見たことある人はそれほど多くはないと思います。
実は山笠って、15日間続く神事なのです。博多の総鎮守「櫛田神社」に奉納するお祭りなのです。

その最終日に「追い山」が行われます。
博多の中で、7つの地域ごとに分かれた「流れ」が、山笠と呼ばれる「山車(だし)」を担いで、博多の町中を疾走するお祭りです。

2種類のタイム競争があって、1つ目は、まず最初に、櫛田神社に奉納するために猛ダッシュで櫛田神社に入ってくる「櫛田入り」と、2つ目に博多の町中を疾走して、「廻り止め」と呼ばれるゴール地点を目指す、一種の長距離走の二本立てです。

櫛田入りはだいたい30秒前後の争い、「廻り止め」までは約5キロあるので、だいたい25〜30分程度かかります。

櫛田入りはものすごい迫力だそうですが、櫛田神社内では事前チケットを買った人しか見れないので、たいていの人は博多の路上で見学します。
私たちも路上で見学です。場所は地下鉄祇園駅を上がった場所にあるファミリーマート前でした!

ちょうど櫛田神社を抜けて、走ってくる山笠が見える位置ですし、すぐそばの東長寺に山笠が立ち寄るポイントでもあるので、写真が撮りやすいかと思ったからです。

↓こんな感じで走ってきます!
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道が広いので、写真はめっちゃ撮りやすい場所でした!

次から次にやってくる「流れ」

5分おきに、それぞれの「流れ」が走ってきます。山車のテーマや地域ごとの住民の個性があるので、飽きることはありません!

↓小さな子供たちも参加してます!
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基本的に、その地域の住民しか参加ができません。参加者からの紹介などで参加できるそうですが、準備などいろいろ参加する必要があるので、なかなかそれは大変なようです。(参照:博多祇園山笠 「山笠に出たい!編」
私は多分25年ぶりぐらいに山笠を見に来て、ちょっと前までは博多から住民がいなくなって、山笠は衰退傾向だと聞いていたのですが、今回見に来て参加者の多さに面食らってしまいました。
おそらく、高層マンションがいっぱい出来たみたいで、新住民の方も多いのかも?と思いました。
あるいは、参加者からの紹介がけっこう融通が利くようになってきたとか?

基本的に「流れ」ごとに山車が違うので、要チェックポイントです。何がテーマなのか見るのも面白いですね。

↓「流れ」ごとに特色あるテーマがあります!
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公道を使うお祭りなので、警察の協力は欠かせません。
海外から帰ってくると、やっぱり日本の警察って優しいなと思います。笑。

↓座って、観客に配慮する警察の皆さん
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海外だったら、疲れるから絶対に座らないと思います。
お勤めご苦労様です。

個人的に一番法被がカッコ良かったのは、土居流でした。

↓土居流
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土居流のエリアは櫛田神社の目の前なので、なんか特別感みたいなのがありましたね。

最後は超巨大な「飾り山」も博多の街を走ります。

↓飾り山
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すげぇ。障害物をよけるために、時々縮みます。よく出来ています!

朝からものすごい熱気でした!

ただ、「オイサッ!オイサッ!」の掛け声が「流れ」によって、統率取れていなかったり、ヌルかったりで、思った以上の迫力は残念ながらなかったですね。
やっぱり、博多もオフィスビルばかりで、地元で代々商売やっている人も少なくなって、バッチリ指導できる人が減ってきてるんじゃなかろうかと思いました。
それでも「千代流」はめっちゃ統率取れていて、惚れ惚れする感じでしたよ!どの「流れ」もこれぐらいあれば、もっと「シャキッ!」っとするんですけどねー。

山笠の起源は相当古い!?

一応、以下のように、山笠の歴史は最低でも770年くらいあるそうです。

鎌倉時代、仁治2年(1241年)博多で疫病が流行した際に承天寺の開祖・聖一国師(円爾)が町民が担いた施餓鬼棚にのって、祈祷水を撒きながら町を清めてまわり、疫病退散を祈願してまわったことを発祥とする。「博多祇園山笠の由来 | 山笠Navi」より

京都の祭り「山鉾巡行」に由来するとか、他にも幾つか説があるようですが、とにかく古いお祭りです。
ただ、やっぱり由来がイマイチしっくりきません。

実は糸島の前原でも山笠があります。博多山笠に影響されたものです。ちなみに昔は加布里にも山笠がありました。
福岡各地に山笠の伝統が残っている地域がいっぱいあります。

博多の疫病退散の祈願が、こんなに各地に広まるんかね〜?とも思いますし、京都の各地に山鉾の祭りがあるとは聞いたことがないので、福岡にこれだけ広まっている理由もよくわかりません。

ちょっと調べてみたら面白そうな由来説を見つけましたよ!

古川清久という、古代史ファンの方が書いた「船越」という話です!

推測の域を出ていない話でしたが、けっこう衝撃的で、文章の最後の方に以下のようにありました。

非常に大雑把な話をすれば、全国の船越地名の分布と、祭りで山車(ダンジリ、ヤマ)を使う地域がかなり重なることから、もしかしたら、祭りの山車は、車の付いた台車で“船越”を行なっていた時代からの伝承ではないかとまで想像の冒険をしてしまいます。

詳しいデータが書いてないのでなんとも言えませんが、よく地名と祭りとの相関に考えが及びましたね。すごいです。
ちなみに、糸島にも「船越」地名があります。

そもそも船越とは「半島の付け根で、廻送距離を大幅に軽減するために船を担いだり曳いたり、古くはコロによって、後には台車などに乗せて陸上を移動していたことを今にとどめる痕跡地名」であるといいます。

船を陸に揚げて、引っ張っていくって、現代の常識ではびっくりするような話ですね!
でもおそらく草舟が主流だった太古の時代にすら遡る話かもしれません。これなら大人が集まれば、引っ張っていけそうです!あるいは木製ならカヌーくらいのサイズか。。。

↓草舟
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(参照:3万年前の航海 徹底再現プロジェクト
まぁ、海と人間との関わりってとっても深く、そもそも住居の原型も舟を逆さにしたものだという説もあります。
実際、ポリネシアあたりの海と生活が密着している人たちの伝統的な民家は、本当にそんな感じらしいです。

海洋民族独得の死生観として、「人は死ぬと海の向こう側へ帰っていく」というのがあるそうです。今では多くの人は、天国は「上」にあると信じていますが、天国は「水平線の先」にあると信じている人もいるということでしょうね。

ゆえに、人が亡くなると舟に乗せて海に送り出すという葬儀方法もあったそうです。「舟葬(しゅうそう)」というらしいですが。

こうやって考えていくと、山笠のリアルな起源は、「海洋民族の人たちにおける、祖先崇拝や霊を弔うお祭り」に当たるかもしれません。
仏教で言えば、「お盆」に近い行事でしょう。

山車が出てくる全国の祭りに興味が湧いてきました。

明日も糸島を楽しみます!!

イベント情報

イベント名:博多祇園山笠
開催日時:(例年)7月頃
開催場所:(例年)櫛田神社
住所:福岡市博多区上川端町1−41
*正式な開催日時・場所の情報はHPにてご確認ください。
HP:http://www.hakatayamakasa.com/
地図:

(※2016年7月現在の情報です)