【前編】ビルオーナー必見!リノベーションで、ボロボロのビルが見事に再生!@博多の冷泉荘

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こんにちは!

要注目の観光地・福岡県糸島市で、
ゲストハウス「前原宿(まえばるしゅく)ことのは」を運営する、のぎー&かなです。
本日もブログ訪問ありがとうございます!

先日、福岡市の吉原住宅有限会社の吉原さんが、糸島にいらっしゃったのをきっかけに、吉原さんが再生された物件を見せてもらう機会を頂きました。本当にありがとうございます!!

↓吉原さん(左から2番目)
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吉原さんはボロボロでどうしようもなかった自社物件を、苦労の末に再生され、その手法を惜しげもなく人に教えることで、各地で誰も住みたがらなかった物件が超人気賃貸になったり、シャッター商店街にどんどんテナントが入り始めたりという変化が起き始めています。

外観はいたって普通だが・・・

ボロボロで、入居者も怪しい人が多くて、誰も近づかなかったという、冷泉荘(れいぜんそう)は中洲川端の商店街のすぐ裏にあります。冷泉公園のすぐそばで、博多のど真ん中という立地です。

↓外観
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話によると、かつては普通の賃貸アパートで、浮浪者が湧き出してくる部屋があったり、中洲の夜のおねえさんたちで溢れる怪しげな部屋があったり、混沌とした、事件ばっかりの物件だったそうですが、コンセプトを一新して、工夫を凝らした賃貸オフィスに変えたことで、超人気物件となりました。

人気のために家賃を上げることにも成功し、耐震補強などメンテナンスにも予算を回せるようになりました

なぜ、そんなすごい展開が出来たのか、興味湧きませんか??

今からその謎を探っていきます。私たちも本当に楽しみです!まずは一階の管理人室に集合です。

↓管理人室
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管理人の杉山さんの趣味全開の管理人室ですが、あとあと、これが一種の「線引き」なんだなと分かりました。

この部屋はある意味、冷泉荘のコンセプトを表現していて、この雰囲気が「面白いな〜」と思う人じゃないと入居は出来ないという。笑。
実際に入居に当たっては、面接があるようですよー。

やっぱりコンセプトが大切なのです。誰でも入って家賃さえ払ってくれればいいわけではないんですね。

↓管理人の杉山さんと、スペースRデザインの梶原さん
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↓裏手へ
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懐かしき昭和の香りがします。なんで綺麗にしないんだろう?って思うかもしれませんが、実はそれがミソで、「古さ」こそが冷泉荘の最大の武器なのです。

↓ボロさをそのまま保存
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mbs社の特殊な塗装で、古さを残したまま、補修を行っておられます。

というのも、吉原さんがいろいろと検討した結果、「古い建物の外壁をいくら綺麗にしても、新築にはかなわない」という判断に至ったそうです。でも新築には決して出せない「味」を気にいる人がいるはずだ!との考えを推し進めるました。

確かに、古さは新しいものに比べると明らかに不便だと思います。でもそこには工夫の余地があって、クリエイティブな人にとっては感性を刺激されますし、アイディアのヒントになる場合もあります

ゆえに、入居者はクリエイティブな人たちばかりです。

冷泉荘のコンセプト『「古さ」の良さが分かり、「ひと」「まち」「文化」を大切に思う人たちが集まる建物』というわけなのです!!

古さに惹かれ、おしゃれな人が集まっている!

入居しているテナントさんを紹介してもらいながら、ビル見学を続けます。

↓みんなが見ているのは何かな〜?
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おしゃれなRILL BAGELというベーグル屋さんです。
↓ベーグル!
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見学中に関わらず、一気に買い占めます。笑。
おいし〜。もっちり感がくせになります。朝9時から開いているみたいなので、中洲川端で朝にカフェでゆっくりしたいな〜って時にオススメです。

↓ベーグル屋の奥にドアが!
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そして、ベーグル屋を抜けると謎のドアが。
ベーグル屋を通り抜けないとアクセスが出来ないという斬新な仕様です。

ひびきの電子株式会社という、九州工業大学発のベンチャー企業で、電子部品を使ったアクセサリーなどを作っておられます。
↓オリジナルのアクセサリー
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ベーグル屋さんもそうですが、昔のオンボロビルのままなら、絶対に入居しなさそうな、若くて素敵なおねえさんたちが入っておられます。先ほども書いたように、それほど大規模な改修をしたわけではないので、外見が変わったわけではないのに、中身が変わるという不思議な現象が起きています。

これには勇気付けられるビルオーナーさんも多いんじゃないでしょうか。

↓ひびきの電子のスタッフさんたち
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本当に面白い現象です。
吉原さんはご自身の手法を勉強会という形で、福岡中のビルオーナーさんたちに紹介して、その手法を学んだ各地のオーナーさんが建物再生に挑んで、次々成功を収めているという、ものすごい事態が進行しています。

↓今ではあちらこちらで再生が進む!
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古いビルのオーナーさんにとっては、普通に改装しても新築には負けるし、建物壊して新築しても採算が合うのかという懸念があります。それを見事に解決した吉原さんの手法には「コミュニティ」「交流」をどうやって作り出して、良い流れを循環させるかという、ソフトの部分に鍵があります。

コミュニティと交流

本当に面白いテナントさんが入居している冷泉荘。一部をご紹介します!

個性的なテナントさんをご紹介

オフィスの他にも飲食店が入っているのが面白いです。
こちらは、食道よこちょうさん。
↓食道よこちょう

板前経験の長い職人さんが、屋台的な雰囲気の中で提供する和食店です。訪問時間中は開店前でしたが、今度行ってみたいです。

そして、hana.さんは、隠れ家的なおしゃれなバーです。
いいなぁ。行ってみたいなぁ。夜な夜な他のテナントさんが集まってきそうですね。

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他にも建築事務所さんや外国人向け旅行会社さん、ハンドメイドの靴屋さん、ヨガ&ピラティススタジオ、韓国語教室、シェアオフィスなどユニークなテナントさんでひしめき合っています。

↓なんと博多人形師の方も!
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びっくりしたことに博多人形師の方も入居されておられます。
↓可愛い!
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とても若い方で、その感性を生かした面白い製品も作っておられます。

絵付け体験も行っていて、たった1000円で楽しめます。
↓絵付け体験も!
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面白いですね〜。冷泉荘は中洲に来たら、最初にチェックしたい場所ですね〜。本当に楽しい!

人と人をどう繋ぐかが大切!

↓屋上も楽しい!
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普段は開けていない屋上に、管理人の杉山さんのご案内で特別に入れさせてもらいました。

↓中洲川端の商店街を見下ろせます!
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この視点は面白い!中洲川端の商店街アーケードを横から見下ろせるとは!

こうやってみると、商店街だけは下手に高層化が進んでおらず、昔風情がタイムカプセルのように保存されているのが分かります。
観光客目当てのお土産ストリートにならずに、人情的な小さな個性的なお店がいっぱい集まってきた方が人気が観光客にも出そうですね

そう考えると、冷泉荘は、小さな個性的な店舗が広がっていた昔の商店街を、ギュッと一つの建物に収めたような、立体的な人情商店街という気がします。

↓屋上も楽しい!
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入居者同士や外部の人との交流の中から生まれたという、屋上ペットボトル田んぼ
やっぱりノリって大切ですよね!

飲食店も入居しているから、そこでお酒を飲みながらテナントさん同士が仲良くなる可能性も高いですよね!

実際に入居者同士の交流は活発で、意気投合した人同士でコラボレーションが起きた例も多数あるようです。
↓ひびきの電気さんとshoe lab noppoさんのコラボ
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このライトも入居者さん同士のコラボ作品のようです。

管理人の杉山さん曰く、実はこの冷泉荘の最大の鍵は、1階にあるレンタルスペースにあるとのこと!

区切れば2,3個ブースを作れるようで、年間に300組の方がこちらを借りて、展示会や個展、イベントなどに利用されておられるようです。

来場客も年間7000人を超えていて、常に外部からの風を冷泉荘に送り込む、素晴らしい装置として機能しているようです。

↓レンタルスペースではイベント中でした!
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1日1枚絵を描く方が1000枚の絵を展示するという企画をやっておられました。

↓イベント準備中
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ものすごいですね。

イベントが開催されると、テナントの方も遊びに来られるので、そこで意気投合してビジネスにつながる場合もあると伺いました。
大切ですよね。その動き。

どんなすごいテナントがいっぱい入居しても、そのまま入居が固まってしまえば、訪れる人も限られて確実にマンネリ化してしまいます。
レンタルスペースは、ビルの共有空間(パブリックスペース)としても機能していて、イベント時に入居者さん同士が偶然会って、会話が弾んだり、仕事の話になったり・・・

緩やかなコミュニティ・一体感が作られています。
これは非常に面白く、かつ結構センスが必要です。

田舎のコミュニティのように、今日は7時から集会!公民館に集合!みたいな半ば強制的でもなく、公共施設のように箱だけ用意して、あとはよろしく!的な任せっぱなしでもなく、綿密に「緩やかなコミュニティ」をデザインしているという・・・

多分、俺には出来ないな〜と思うビルオーナーさんもいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫です!肝心なのはやる気のある若者を引き入れることです!

今の若い人は、イベント慣れしている人も多く、企画が得意な人も多いです。一番良いのは、オーナーのお子さんがビルを引き継いで、再生に乗り出してくれることですが・・・。
もし興味がある方は、ぜひ冷泉荘を訪れてみてください。基本的にいつでも冷泉荘は見学出来ます。(予約推奨!)

本当はご案内して頂けるのは、ここまでの予定だったのですが、吉原さんのご好意で、清川にある、清川ロータリープレイスもご案内して頂けました。本当にありがとうございます!!

後編もお楽しみに!

明日も糸島を楽しみます!!

名所情報

スポット名:冷泉荘(れいぜんそう)
住所:福岡市博多区上川端町9番35号
HP:http://www.reizensou.com/
地図:

(※2017年6月現在の情報です)

**糸島コンシェルジュがいる宿**
福岡・糸島ゲストハウス
前原宿(まえばるしゅく)ことのは
(Itoshima Guesthouse Kotonoha)