滅多に聞けない!刀匠・瀬戸吉廣氏による刀鍛冶のお話@古材の森

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こんにちは!

要注目の観光地・福岡県糸島市で、
ゲストハウス「前原宿(まえばるしゅく)ことのは」を運営する、のぎー&かなです。
本日もブログ訪問ありがとうございます!

一瞬で満席になった、講演会に参加!

7月1日(土)に、筑前前原の古建築レストラン「古材の森」で開催された講演会「火と鉄の芸術 刀鍛冶が語る 日本刀」に参加してきました。

↓古材の森外観
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糸島に、瀬戸吉廣さんという刀匠がお住まいで、人間国宝に次ぐ、「無鑑査刀匠」という位にある方です。

伊勢神宮の20年に1度の式年遷宮の際には、2度も直刀を奉納するなど、現代を代表する名工の1人とのことで、正式募集開始前から、糸島の人の中ではかなり話題になっていました。

素人が全く手が出ない世界のお話が聞けるというので、申し込みが殺到。すぐに満席になりました。
運良く参加出来たので、レポートいたします。

↓まずは食事
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参加費は2500円でしたが、とても豪華なお食事付きでした。
講演の前に来た人から順に食べます。丁寧な料理でとても美味しかったです。

テーブル席なので、知人や初めての方とご一緒する場合もあるのですが、同じ興味を持って集まった人たちばかりなので、すぐに打ち解けます。

私もイベントを主催することも多いですが、やっぱり、その場に集まった人同士が打ち解けあって仲良くなれるかどうかが大切だと感じております。そうすると、イベントが一瞬で終わらずに、後々まで繋がっていきますから!

そう思うと、イベント前に食事を囲むってとてもいいアイディアですね!

↓刀匠瀬戸さん(左)と店長有田さん(右)
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↓満席の店内
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サラリーマンを辞めて、刀匠に弟子入りしたお話や独立したお話など、思い出すように静かな声で話されます。それにみなさん静かに耳を傾けております。

優しいお人柄が伝わってくる話しっぷりですね。

刀のうんちくって楽しい♪

そもそも実用の武器として発達した刀鍛冶ですから、その最高潮の時代は、鎌倉幕府が滅亡した直後の、南北朝時代(1336年 – 1392年)になるとのこと!

それよりあとの時代になると、武器としては刀より優れた鉄砲が伝来するので、イマイチなんだそう。

最高潮の時代の刀には、現代の刀匠から見ても、「どうやって作ったんだろう??」って思うほど見事な刀も残っているそうです。
瀬戸さんは「そう考えると、技術は時代によって進んでいるはずなんだけど、最先端だからすごいってわけでもない。技術って何なんだろう?って思いますよね〜」とおっしゃってました。

↓刃紋の種類
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刃紋とは、刀の表面に付ける模様のことですが、色々種類あるんですねー。刀鍛冶によって個性が違うそうですが、刃紋を付ける過程の話が面白かった!

日本刀は、どの部分も均一の硬さかと思いきや、実は、硬い部分と柔らかい部分に分かれているそうです。!

どういうこと??って感じですが、切れ味のいい部分は、硬くする必要がありますが、全てを硬くしてしまうと今度は衝撃でポッキリ折れやすくなります。
だから、火を入れる時に「焼刃土」という保護のための土を塗って、その厚みの違いで硬軟の部位を1つの刀に作り出しているのです!刃紋はその「焼刃土」を塗りつける時の一種のデザインなのです。

何でも固ければいいってものではないんですね。は〜、面白い。やっぱり実用を考えるなら、その硬軟のバランスや面積比でも刀の良し悪しが出てくるのかもしれませんね。

↓刀の変遷
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刀の時代ごとの変遷です。時代時代によって形の特徴が全然違いますね。
右から古い順番ですが、ちょうど右から5番目が元寇の頃です。モンゴルが日本に攻めてきた時代ですね。

従来の日本刀では相手の甲冑(革製?)を叩き切れなかったようで、突きを主体とした戦法を取るために変化したのだとか。
おそらく右から3番、4番目あたりが鎌倉時代・南北朝時代の最高潮の刀だったと思います。

↓作業風景
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こうやって糸島の工房で作業されておられるんですね〜。話によると思いっきり住宅街の中だそう。
もともと北九州出身の瀬戸さんは、独立する際に火を使える工房が構えられる場所を探しておられて、たまたま糸島の地にいらっしゃったとのこと。

偶然とはいえ、糸島は日本でも最古級に鉄の生産を始めた地です。二丈エリアの曲り田遺跡では紀元前3〜4世紀頃の鉄器が見つかっています。

その地に居着いて、刀鍛冶を行うという・・・

何か引き寄せられるものがあったのでしょうね。

↓目標とする刀
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これが瀬戸さんが目標とされておられる刀です。
「備前国福岡一文字」という、鎌倉時代からある、岡山県発祥の名刀です。
国宝に指定されているものも多く、瀬戸さんもそれを目標に作刀されておられますが、その当時の技術にはなかなか及ばないそうです。

本来、作刀に当たっては依頼主(パトロン)がいるのが普通で、鎌倉時代ならば武士が注文するわけですが、実用から遠ざかった今は、コレクターの方が注文をされるわけです。
そういう方々は実用を重視する必要がない点も、現代の作刀の悩みどころなのかなと思いました。鎌倉時代と現代では作刀の「目的」が異なるのですね〜。

そもそもなぜこんな講演が実現したのか!?

本当に知らない世界のお話で、しかも絶対に普通は聞けない話です。瀬戸さんはもともと営業などの接客が苦手で、黙々作る系の「刀鍛冶」に憧れたとおっしゃってましたから、自分から講演しようとは思わない方だと思われます。

なぜ講演が実現できたのか!?

実は、古材の森の店長・有田さんのマニアぶりのおかげであります!!

 

↓自作のフイゴ by 有田さん
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鞴(フイゴ)は製鉄に不可欠な器具で、燃焼を促進する目的で空気を送り込みます。
いろいろなタイプがありますが、下図のように持ち運び可能なのもあります。

↓フイゴ
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実は、有田さんが学生の頃、瀬戸さんに弟子入りしたかったそうです。
刀鍛冶に憧れがあったとのこと。ただ申し出るほどの勇気が出ずに、刀鍛冶になるのは諦めたそうですが、それでもその刀鍛冶の情熱は消えず、自作で、フイゴを作ったそうです!

すごいです!
確実に素人が使う場面ないですからね〜。それを作ってしまうというのがすごい。

おそらく参加者全員が「それ作ったの!?何のために!?」って思ったことでしょう。笑。

その自作のフイゴを瀬戸さんは見て、「こりゃ、変わったのがおる。多分話ができるぞ。有田さんなら講演依頼を受けてもいいな」と思ったそうです。

何がどういう結果を生むのか、本当に分かりませんね。

好きなことを追求すれば、確実に何か道が開けるということでしょうね。

↓瀬戸さん仕様の工具
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実用の道具はやはり美しいですね〜。普通刀鍛冶は自分で道具も作るとのことです。

↓刀をじっくりと眺める参加者たち
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今回は特別に瀬戸さんの刀も間近で見れました。もちろん安全に配慮して近くにはスタッフの方がおられましたが。
博物館に飾られた刀はガラスケースの向こう側で容易には近づけませんから、本当に貴重な機会でした。
糸島にお住いの方や、海外出身で日本の伝統文化に興味がある方など様々な人が集まっていましたよー。

最後にですが、「なぜ実用ではなくなった刀を集めたり、家宝のように大切に飾ったりする人がいるのか?」という疑問に対して、瀬戸さんは、「何か、『日本人らしさ』みたいなものが刀にはあるんでしょうね」とおっしゃっていたのが印象的でした。

まぁ、確かに鉄製の武器といえば、弓でも槍でも鉄砲でも色々あるわけで、なぜ刀なのか?と聞かれると答えに窮しますよね。刀って何なんだろう??と考え込んでしまいました。

本当に楽しい機会をありがとうございました!

店舗情報

店名:古材の森
営業時間:11:00-17:00(ランチは15:00まで)
定休日:水曜
住所:糸島市前原中央3-18-15
HP:http://www.kozainomori.net/
地図:

(※2017年7月現在の情報です)

**糸島コンシェルジュがいる宿**
福岡・糸島ゲストハウス
前原宿(まえばるしゅく)ことのは
(Itoshima Guesthouse Kotonoha)