2年半もかけて、杉樽で熟成させる本物の醤油「北伊醤油」

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こんにちは!

要注目の観光地・福岡県糸島市で、
ゲストハウス「前原宿(まえばるしゅく)ことのは」を運営する、のぎー&かなです。
本日もブログ訪問ありがとうございます!

友人のエビハラさんを糸島案内中です!
船越にある「北伊醤油」さんに訪れました!

↓北伊醤油は半島西側です!
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昔ながらの天然醸造を貫き、杉樽仕込み2年半熟成・発酵させた醤油が特徴です。普通の醤油蔵は1年程度しか仕込まないらしいので、2年半がどれだけ長いかお分かりになるでしょう。

↓北伊醤油の象徴・煉瓦造りの煙突
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予約して見学しました!

北伊醤油は事前に予約すれば、ご案内していただけます。(作業が当然ありますので、いつでも何時でも説明してくれるわけではありませんので、ご注意を。なんとなくですが、15時以降の方が都合が良い場合が多そうです。)

前回、ハンガリーからのピーテル君を案内したのに続き、今回も工場主任の河野(こうの)さんにご案内いただきました!ありがとうございます!

↓パネルを前に工程の説明
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えびはらさんは生まれが醤油で有名な銚子の近くなので、元から持っている醤油の知識と比べながら、説明を聞いておられました。

北伊醤油の特徴はなんといっても、仕込み用の杉樽です!

↓伝統の杉樽
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河野さん曰く、北伊醤油には37個も杉樽があって、全国的にもここまで数を持っている醤油蔵は珍しくなってきたとのことでした。

本当は樽を締める、竹でできた輪(名前忘れたー)を修理する必要があるのですが、職人さんが日本でも数少なくなって、大阪の堺から呼ぶ必要があるそうです。
そんな職人はますます減るはずなので、将来的には金属製の輪で締めるようにしないといけないかもね〜とおっしゃってました。

↓醤油熟成中の杉樽
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この光景はいつ見ても圧巻ですね!壁や天井には酵母菌が住み着いています。
樽によって仕込んだ時期が異なるので、色が違います。

↓樽による色の違い
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私たちが訪れた6月は高温高湿度で、最も発酵が進む時期なんだそう。だから樽の中から泡がぶくぶく上がってくるので、定期的に棒で突いて泡を抑える必要があります。放っておくと縁までぶくぶく泡が来るので気を抜いたらあかんとおっしゃっていました。

ちなみに河野さんは育ちは大阪なので、時々大阪弁が混じります。数十年前に糸島の風土が気に入って移住されたとのこと。

糸島ブームが来るはるか昔に糸島の良さを発見されていたとは!地元民から見ても昔はただの田舎って雰囲気でしたけどねぇ。

九州の醤油はなぜ甘い?

えびはらさんからは醤油に関する鋭い質問が色々飛びます。

「なぜ九州の醤油は甘いんですか?」

個人的には、「九州人は甘いの好きだから」と思っていたのですが、河野さんの答えは全然違っていてびっくりでした!

↓質問に丁寧に答える河野さん
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九州の醤油が甘いと言っても、こんなに甘くなったのは戦後のことで、戦後に国土が大被害を受けた中で醤油も再生産を始めたわけですが、かつてのように2年も3年もかかる仕込みをしていたら間に合わんということで、近代的な「素早い」作り方をしなければいけなくなったそうです。

金属製の樽を使って消毒もバッチリして、という方向性になって、これまでの「麹菌の作用に全面的に任せる醤油作り」とは異なる製法が主流になったようです。(日本酒製法の近代化と同じような流れですね)

そして砂糖も高すぎで、醤油に甘みをつけようと思うと大量に必要なので、安価な「サッカリン」などを使うようになったそう。こういった甘味料は砂糖と比べると劇的に甘いので、一気に甘みが増していったらしいです。(もともと暑い九州では甘さが好まれる傾向があったとは思いますが。。。)

なるほど〜。戦争の影響はデカいですね〜。人的・物的被害だけでなく、伝統も壊してしまうんですね。

近代的な醤油は、なんと3週間もあれば完成します。3年かかっていたのが3週間ですよ!昔ながらの伝統的な醤油とは似て非なるものという気がしますが、いかがでしょうか?

↓瓶1千本分の醤油
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最近は醤油は塩分が高く、高血圧などの病気の原因になるという話ですが、添加物や甘味料、保存料の影響はないんですかね〜?

まずは、3週間でできる「近代的醤油」と、3年かかる「伝統的醤油」は分けて考えたほうがいいと思います。決して伝統的醤油の方が塩分控えめなわけではありませんが、余分なものが入っていない、あるいは少ないというメリットは多分にあるのではないでしょうか。

現代の人が悩む病気の多くは、生活習慣からくるものが多いと言われます。毎日のように使う醤油を見直すのも、生活習慣を見直す第一歩と言えると思います。

絶品醤油プリン

北伊醤油で忘れてならないのが、醤油プリンです!

↓醤油プリン
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4年の歳月を重ねた「再仕込み醤油」の旨みの深い醤油を使い、朝取りの新鮮な糸島産たまごと、これも糸島産「伊都のめぐみ」の生乳を使用し美味しいプリンを作りました。

オリジナルの醤油がさらにプリンを濃厚な味わいにしてくれています。大人な味って感じで、絶品です!
プリン自体のなめらかさもクセになる食感ですね!
まだあまり知られていませんが、そのうち糸島を代表するプリンとして有名になるでしょう!

北伊醤油さん、おすすめです!
もちろん見学しなくても、醤油やプリンを現地で購入することができます。

明日も糸島を楽しみます!!

店舗情報

店名:北伊醤油
営業時間:8:00-17:00
定休日:日祝日
住所:糸島市志摩船越84
HP:http://kitaishoyu.com/
地図:

(※2016年6月現在の情報です)

**糸島コンシェルジュがいる宿**
福岡・糸島ゲストハウス
前原宿(まえばるしゅく)ことのは
(Itoshima Guesthouse Kotonoha)