こんにちは!
要注目の観光地・福岡県糸島市で、
ゲストハウス「前原宿(まえばるしゅく)ことのは」を運営する、のぎー&かなです。
本日もブログ訪問ありがとうございます!
「前編」に引き続き、糸島のオーベルジュ「僧伽小野 一秀庵」のお話です。
ちなみに、オーベルジュとは宿付きのレストランのことです。
若き料理長が編み出す、魔法の数々!
僧伽小野一秀庵は、福岡を代表する飲食グループ「ONOグループ」の系列です。代表の小野さんはもともと奈良のお寺の出身ということで、かつての寺併設の宿泊施設「宿坊」というスタイルに強いこだわりを持っています。
福岡で様々な飲食店を展開されておられますが、その背景から考えると、もしかすると、一番情熱を注いで作れれた場所かもしれません。
ゆえに、ここでの料理は、ONOグループの最高峰を提供しているといっても過言ではないと思います。
会席料理をベースにした創作和食で、食材から調味料まで、出来る限り糸島産にこだわり、多くの野菜は特定の契約農家さんから直接仕入れておられます!
(ちなみに、会席料理とは、「一汁三菜」を基本とした宴席料理で、お酒を嗜む為の食事と位置付けられています。)
また、現在の料理長である「梶原大輔さん」は若干33歳!
2016年の夏頃から就任したそうですが、グループ内でも断トツに出汁をとるのが上手いとのこと!
めちゃくちゃ楽しみです!!!
床の間も美しく飾ってあります。
毎月一回変わるコース料理ですが、2016年の12月は「天狗の厄払い」というコースでした。
ヤツデという植物は、別名を「天狗の羽団扇(はうちわ)」といい、大きな葉に魔物を追い払う力があると信じられています。
年末なので、それで厄を追い払い、新年をめでたく迎えようという趣旨です。
獺祭(だっさい)の、磨き三割九分のスパークリングで乾杯です!
かなりファンの多い日本酒・獺祭の、珍しいスパークリングです。友人が美味しいと言っていたので、ここで味わえて感激です!
とても飲みやすく、幸せな気分になります。
正月が間近に迫ってきたのを感じさせる、素敵な盛り付けです。
まずは・・・・・
お互い、天狗になった気分で、ヤツデを振ります。ほろ酔い具合も手伝って、結構楽しく盛り上がります。
ふー、厄が払われて、ものすごくスッキリした気分。
海老の身が練りこまれた里芋をシンプルに揚げています。まるで白い庭石のようです。確か、「天狗の羽団扇(はうちわ)」の故事にちなんだ設定があったと思いますが、忘れてしまいました。
お芋のホロホロとした食感の中から、海老の旨味がふわっと出てきて、不思議な美味しさです!
また山椒塩でさっぱりと頂くのもいいですね〜。
前菜から一気に創作和食の世界に入っていきます!
前菜は左から以下の通りです。
・「初雪 カリフラワームース」
・「生鯖の胡麻和え」
・「ハーブ鶏のテリーヌ」
カリフラワームースの美しいこと! なめらかなデザートを食べているかのようですが、カリフラワーの旨味が病みつきになります。
これ、家で食べたいな〜。けど手間暇かかりそうでまずムリだな。笑。
美味しいです。
生鯖の胡麻和えは、福岡の名物に「ゴマ鯖」がありますから、地元感あふれる料理ですね。うまい!
獺祭がすすむ、すすむ。笑。
そしてハーブ鶏のテリーヌです。テリーヌはフランスの郷土料理で、土鍋にハーブ鶏や野菜などをミンチにしてオーブンで焼いたものです。
フランスの伝統食は保存食に根ざしたものが多いので、脂っこい場合がありますが、こちらは現代風にアレンジされていて、さっぱり食べられます。
海外発の調理法が取り入れられていますが、味付けがさっぱり且つ、しっかりとした下味が効いているので、和食っぽい感じで食べられます。
前菜からとてもレベルが高いです!さすが。
あと10品出てくるんですけど。笑。
怒涛の美食は続く!
椀物は、「冬到来 蟹真丈と糸島大根餅の清まし椀」です。
これはヤバイ! 料理長の出汁取りの達人っぷりが遺憾なく発揮されています。
そもそも大根餅って何だっけ?って思いましたが、中華の点心のメニューですね。
普通は、すりつぶした大根と小麦粉・片栗粉を混ぜて焼いたもので、大根の香ばしい旨味が何とも言えませんが、これは蒸したと思われます。
蟹の身も入っていて、まるで少し硬めの絹漉し豆腐のような食感の中から、大根と蟹の旨味ですよ!
また優しい出汁とのバランスも素晴らしい。
いやー、この調子で書いていたら、ブログが終わらない。笑。
御造里は「糸島旬魚盛り合わせ」です。刺身はヒラメ、中トロ、アラ、タイ、カンパチ、サワラ(若いやつ、名前忘れました)。
糸島産「またいちの塩」と新鮮わさびで食するのもポイント。
醤油やポン酢で食べても美味しいのですが、塩だけでも全然美味い!(醤油は、糸島・加布里の叶醤油の特注です。)
とにかく、新しい刺身の楽しみ方でした。お魚も糸島の近海で獲れたもの中心で、魚も調味料も地元で調達できるのが糸島の魅力です!
蓋物は、「糸島白菜とトリュフの玉〆」
なんと現代スペイン創作料理で有名になった、最新調理器具「エスプーマ」を使って、泡状になった白菜です。
白菜もトリュフも原型をとどめていないわけですが、泡状になって、より豊かになった香りを食しているかのようです。
これ、また食べたい!不思議な食感です。
数年前まで、糸島でここまでレベルの高い料理が食べられるとは思ってもいなかったです。
でも、食材の新鮮さ・おいしさを考えると、下手に東京や福岡市でグルメを楽しむより、糸島で地産地消を楽しんだ方が、全然美味しいような気がします。感性の高い料理人さんもそんな田舎の魅力に気づいて、移住される方も多いです。
糸島に限らず、これからは「地方の美食」が「都会の飲食」を凌駕する。そんな時代が近づいているのかもしれません。
最後まで、一品一品に込められた想い
口直しは「白子餡と糸島カナト河豚」です。
カナト河豚も初めて耳にしましたが、シロサバ河豚とも呼ぶようです。トラ河豚より安価で、十分美味しい河豚だと言われています。
白子の濃厚さもあって、口中に残った、今までのさっぱりした風味がリセットされました。
ほう〜、こういう口直しもあるのね〜って感じです。
さて、ここから一気にギアが上がって、フィナーレに向かって料理は「加速」していきます。
強肴(しいざかな)は、会席料理でお酒を勧めるための一品料理です。珍味である場合が多いようです。
その内容は以下の通り。
・「糸島牛 糸島野菜のロースト」
・「雲丹グラタン 糸島蜜柑ジャム」
・「糸島海苔のピューレ添え」
確かに珍味感が溢れていますね。
糸島蜜柑ジャム、糸島海苔のピューレは単品で味わってもいいですし、お肉や野菜に付けて食べてもいいです。
私たちにとっては、牛肉と海苔を同時に食べるって初めての経験でした。いや、普通みんな食べた事ないかも。
食べてみて、一言。
「あっ、うまい!」
糸島牛の脂の上品な甘みと、海苔の独特な塩味と磯の香りが、思った以上に合っていました。こんな組み合わせってあるんですね〜。
留肴(とめざかな)は、「ここでお酒はおしまいよ!」という意味合いで出てくる、一品です。
ここでは、「糸島冬蕪 霞鍋」でした。金目鯛も入ってます!
いや、お酒が止まるわけないじゃないですか〜。笑。
せっかくなので、追加で、地元・白糸酒造の梅酒を注文しました。
蕪も甘みがすごくて、とろみのついた汁をいただくと、ポカポカ体が温まります。おいしいな〜。
御飯は、「糸島名物 梶塚大根飯」です。
土鍋で炊き込まれた、ツヤツヤのご飯に、ご近所の農家さん・梶塚さんが作った大根がふんだんに盛り込まれています。
お腹いっぱいで、この量食べれるかなと思っていたら、結局全部食べてしまいました。
大根もあらかじめ出汁で煮込んでたと思いますが、良い具合に大根の味がご飯に染み込んで、何杯でも食べれちゃうような味でした。
留椀の「赤出汁」も、香の物の「自家製明太子 昆布佃煮」も優しい味で、ご飯のお供に最高でした。
水物はつまりはデザートですが、以下の内容でした。
・「スノーチョコレートパウンド」
・「苺ミルクのジェラート」
・「あまおうベリーソース添え」
甘さが控えめで、さっぱりと頂けました。
会席料理は普段滅多に食べませんが、季節感や一品一品の料理に対する想像力が感じられ、またそれぞれの組み合わせでも味わいが変わる面白さもあると思いました。
まるで、一品一品が個性豊かな雅楽奏者で、料理長が指揮者のようです。
そして、会席料理全体で一つの曲目を奏でているのだと思いますが、僧伽小野で食べ終わると、素晴らしいコンサートを聴きに行った帰りのような気分になりました。
僧伽小野では宿泊せずとも、ランチやディナーの予約は可能です。
おめでたい席があるときは、わざわざ福岡市などの大都会に出向かずとも、ここ糸島で十分素晴らしい時間を過ごせます。
ぜひ機会あれば、ご利用ください。
美しい朝に、「豊かさ」について考える
朝の海は穏やかです。
静かに寄せる波紋は、昨日の「天狗の羽団扇(はうちわ)」で生じた風の余韻かもしれません。
朝食は、海が見える特別な部屋にて!
日本の朝ごはんでほっこりします。土鍋のご飯もやっぱり美味しい!
贅沢な時間です・・・
ふと、「部屋にテレビがないって予約を断る人がいる」という話を思い出しました。「僧坊」がコンセプトな宿なので、部屋にはテレビがないのです。
でも、本当にテレビって要る??????
日本人は色々な大事な事を忘れすぎな気がします。海を目の前にしてそう思いました。
宿泊中は溝口さんに大変お世話になりました。
若い方ですが、質問すれば即座に的確に答えてくれるし、料理の説明の仕方も上手だと思いますし、程よく会話にも入ってくれるので、とても良い時間が過ごせました。
本人はまだまだ自己満足されておられませんでしたが、私たちは素晴らしい接客のセンスがあるな〜と感心していました。我々も見習わねば!
話によると、ここでのお仕事は、2017年の3月までのようなので、ご興味ある方はぜひ3月までに僧伽小野 一秀庵にお出かけください。
糸島を満喫している私たちですが、やはり漂流物やゴミの散乱など気になることも多いです。特に、人気の火山(ひやま)や大口海岸・二見ヶ浦などの沿岸部。
というわけで、これからはカバンには袋を忍ばせておいて、できる限りゴミ拾って帰ろうかなと思う次第です。
とにかく素晴らしい1日でした!
明日も糸島を楽しみます!!
店舗情報
店名:僧伽小野(さんがおの)
営業時間:ランチ 11:30- / ディナー 16:30-22:00
*食事のみの利用も可(要予約)
定休日:不定休
住所:糸島市志摩久家2143-2
HP:http://www.sangaono.com/
地図:
(※2017年1月現在の情報です)
**糸島コンシェルジュがいる宿**
福岡・糸島ゲストハウス
前原宿(まえばるしゅく)ことのは
(Itoshima Guesthouse Kotonoha)