みなさん、こんにちは!
糸島ゲストハウス 前原宿ことのはの野北です。
ボランティア団体「前原もっと楽しもうプロジェクト」が取り組んでいる、
福岡県糸島市の「もり」と「まち」を、みんながデザインしたベンチが繋ぐ、今回の「商店街ベンチ」企画。
お時間あれば、どうぞご一読よろしくお願いします。
~~~~~~~~~~
地元の木材(間伐材)を使おう!
今回の商店街のベンチプロジェクトでは、地元・糸島産の木材を使う計画です。
材を無償提供して頂くのは、地元のNPO法人いとなみさんです。
いとなみさんは、地域の森を管理して、「間伐材(かんばつざい)」の利用を勧めておられます。
間伐とは!?
間伐とは、過密になった「もり」の木々を、間引くことです。
そして、その際に伐採された木を「間伐材」と言います。
森なんて自然に任せておけばいいじゃん! なんで、わざわざ手入れするの?って思ってしまいますが、実は、日本の森林の4割は「人工林」であって、主に戦後、杉やヒノキを将来使用する目的で植えたものなのです。
ゆえに、手入れをする必要があるのですが、その方法の中でもとても有効なのが、「間伐」というわけです。
しかし、間伐はとても重要な作業にも関わらず、林業家の高齢化や安い輸入木材の流入によって、ほとんど行われなくなってきています。
豪雨災害の遠因!?
間伐をしなければ、樹々がお互いの成長を邪魔して、根をしっかり張れません。
根が張れなければ、大雨や地震によって簡単に気が流され、山が倒壊します。
近年の豪雨災害の原因の一つと言われてます。
↓2017年北部九州豪雨の様子(wikipediaより)
大雨によって川に流された倒木は下流まで流され、堤防の決壊などを起こす危険性があります。
どうにかしてくれ!と思いますが、耳の痛い話、結局私たちの選択の問題でもあります。
少しでも地元の森の状態を良くするため、間伐というまだ一般的でない言葉を広く知ってもらうために、今回のプロジェクトでは地元の間伐材を使うことにしました。
間伐の作業に密着!!
しかし、私にとって「間伐」や「山仕事」は、本当に申し訳ないくらい縁遠く、いまいちどのような作業を行っているのか、全く分かっておりませんでした。
そこでNPOいとなみさんの作業に密着して、間伐材の切り出し&運び出しを体験してきましたので、ご紹介させてください。
長年、手入れがされていなかった糸島の森を、NPOいとなみさんは新たに管理されておられます。
そして、「皮むき間伐」という独特の手法を用いておられます。
↓皮むき間伐の様子
木を切りたおす前に、皮を剥いで、「立ち枯れ」させる独特な方法です。
そうすることで、切り倒した時にはかなり軽くなり、女性や子供でも運び出しのお手伝いができるほど作業性が良くなります。
またすでに乾燥が進んだ状態で切り出せるので、切り出してあまり時間を置かずに加工ができるのもメリットだと言われております。
面白い試みですね!
さて、いとなみさんが管理されている場所は、糸島二丈エリアの山で、木の香ランドというキャンプ場のそばです。
海側を通る国道から20分ほど、山道をうねうねと登った場所にあります。
↓ヘルメットをかぶって集合!
木材の切り出し
現地はかなり急な斜面で、細い杉が所狭しとまっすぐに伸びています。
本当に足場が悪く、気をつけて立っていないと転がり落ちてしまいそうです。
↓険しい斜面を登っていきます
山には、皮むき間伐された杉の木があちらこちらに見受けられます。
↓皮むき間伐された杉
まずは、かなり前に皮むき間伐を行った木材にチェーンソーを入れていきます。
切り出す瞬間は何が起こるか分かりませんので、みんな緊張感を持って作業を見つめます。
無事、切り終わってホッとしました。
運び出し
さて、必要なサイズに切り出したら、今度は運び出しです。
皮むき間伐で軽くなったとはいえ、これがやっぱり大変です。
急斜面での作業ですので、本当に注意が必要です。
どうりで林業が衰退したんだと感じますね。
ただ、諦めるわけにはいきません。
斜面を滑り下ろすように、切り出した杉を運びます。
もう少し小さなサイズであれば、以下のように運び出すのも可能です。
本当に大変です。
私も手伝いましたが、相当汗をかきました。
軽トラックに載せる
そして、あとは軽トラックに載せて、加工場まで運び出します。
これも超大変な作業です。
↓軽トラックに載せます
↓しっかりくくりつけます。
このサイズの木を軽トラックに載せるのはそれはそれで大変です。
ただ、皮むき間伐をして、相当水分が抜けているので、かなり軽くなっているそうです。
荷台にしっかり載せたら、今度は加工場に運ぶために、麓まで降ります。
↓道なき道を進みます。
道なき道を行く・・・
このシーンを見ながら、日本の林業って本当に大変だと思いました。
軽トラックがない時代はどうしてたんでしょう・・・
私たち夫婦が2015年に世界一周旅行をしていた時にブラジルに立ち寄った時のことを思い出しました。
どこまでもまっすぐな道を時速100kmでバスが突っ走り、5分経っても、10分経っても、田んぼのように綺麗に植林された人工林を抜けられませんでした。
本当に平らで、広い広い大地に、一定間隔で均等に木々が植えられているのが、海外の林業です。
急斜面で、1本切り出すのも四苦八苦しながらやる日本の林業とは大違いです。
↓4駆でもたまにハマります。
車を必死で押して、窪みにハマった軽トラックを助け出しました。
ふ〜、大変。
コストで考えると、海外の林業には全く歯が立ちませんが、ただし、日本で林業をちゃんと行うことは、日本の山を、ひいては私たちの暮らしを守ることに繋がります。
その価値を多くの人に知ってもらう必要があります。
山を守ることは、私たちの生活を守ること
「母なる山」というように、森から流れ出した川が大地を潤し、海に注いでいきます。
山の豊富なミネラルが豊かな畑を作り、近海のお魚や養殖の魚や牡蠣などを育てます。
↓里海と物質循環(里海ネットより)
山を守ることは、私たちの生活を守ることに繋がります。
普段なかなか意識しない繋がりなので、私も話を聞いてびっくりしましたが、地域の山と海、町に暮らす私たちはしっかりと一つの循環系の中にいるんですね。
糸島は牡蠣小屋でも有名ですが、牡蠣の養殖に携わる方々は最近では、山の整備活動に参加して、地域の循環を大切にするように心がけておられるようです。
私たちも参考にせねばなりません。
今回のクラウドファンディングのリターンには、皮むき間伐の体験や、間伐材を使ったアクセサリーやお箸などのリターンもご用意しております。
ぜひぜひ、応援して頂けると幸いです。
===========
<クラウドファンディングは、終了しました。ありがとうございました!>
↓【地元の木材とみんなで作る商店街ベンチ】まちに新しいコミュニティを創る!https://faavo.jp/fukuokachuou/project/3081
なお、振込でのご支援は受け付けております。
===========
「ベンチデザインコンテスト開催!」糸島・前原商店街ベンチプロジェクト①
「クラウドファンディング開催!」糸島・前原商店街ベンチプロジェクト②
「商店街にベンチは必要だ!」糸島・前原商店街ベンチプロジェクト③
「飲食スタートアップの聖地」糸島・前原商店街ベンチプロジェクト④
「世界の魅力的なベンチ」糸島・前原商店街ベンチプロジェクト⑥