みなさん、こんにちは!
糸島ゲストハウス 前原宿ことのはの野北です。
ボランティア団体「前原もっと楽しもうプロジェクト」が取り組んでいる、
福岡県糸島市の「もり」と「まち」を、みんながデザインしたベンチが繋ぐ、今回の「商店街ベンチ」企画。
お時間あれば、どうぞご一読よろしくお願いします。
子供部門のデザインをプロの作家がチェック!
先日、商店街ベンチのデザイン募集が終わったので、プロジェクト当初からご協力頂いている、糸島の木工作家さん「家具工房CLAPの山本さん」を、NPOいとなみの藤井さんと一緒に訪れ、様々な相談に乗ってもらいました。
↓ミーティングの様子
子供部門のベンチのデザイン案に関して、技術的な側面から助言を頂きました。
お忙しい中本当にありがとうございます!!
子供達がプロジェクトの趣旨を汲み取って、それぞれの想いをしっかり表現した、素晴らしい作品ばかりです。
正直どれを選ぶか悩むところでもあります。
↓届いたデザイン案の一部
NPO法人いとなみさんの代表は藤井さんなのですが、募集用紙がわかりにくかったせいか、私の名前宛てになっているのもありますね。。。苦笑。失礼しました。
CLAPの山本さん曰く、多くの作品は技術的・コスト的にも実現可能です。
良かったです。
ただ、背もたれや屋根がある作品が多くて、思った以上に予算が必要になるかもしれませんが・・・
ぜひ実現にご協力頂けると幸いです。
日本のまちかどにはベンチがなさすぎる!!
今回のプロジェクトを通じて感じるのは、日本には、各所に気軽に使えるベンチがないということです。
歩き疲れて、道端に座り込む人や、適切な場所にベンチがなく休むに休めない人がいっぱいいます。
それを見て、「ベンチや椅子があればいいのに~」とか「ベンチを家の前に置いてあげようかな~」と思う心優しい人が思った以上に多くいます。
駅前だってベンチが十分にあるとは言えません。
写真のように。
↓ある雨の日の筑前前原駅の様子
前原の駅前は「行政」で管理しておられるので、実は今回のプロジェクトで色々とお話を伺いました。
行政は行政なりの事情があります。
駅前にもベンチをたくさん置きたいのはやまやまでも、コストや管理の手間、ほんの少しの欠けなどで怪我をする人が出たらどうするかなど、色々と考えることがあります。
「ベンチが通行の妨げになった」というクレームとかもあったようです・・・
ゆえに、公共空間からはベンチなどの管理物を減らす方向で動きがちです。
ある意味、理解できます。
でもニューヨークでは公共空間にベンチを2000台も置くプロジェクトを進めていますし、ヨーロッパの繁華街では、公共空間の占有権をお店に与えて、お店はテラス席を設けることで、行政は収入を得ながら、街の賑わいを作り出しています。
↓ニューヨークのベンチ(SWChelseaNYCより)
↓スペインSitgesの街並み。オープンテラス(友人のブログより)
この差は何でしょう??
もしかすると私たちが行政に依存しすぎて、色々任せすぎなのが原因かもしれません。
私たちが一年間世界一周旅行をしていた時は、一般的に、世界の行政の方々の仕事の範囲は、十分に限定されているので、無理な要求をすると、はっきりと「私はそんなことをするほどの給料はもらっていません。あなたは一体どれだけ税金を払っているのですか??」と聞き返されます。
冷静に考えると、そりゃそうだなと思います。
しかし、日本にいると、クレームを言えば、サービスってことで、ちゃんと対応してくれて当たり前、と思ってしまうから不思議です。
反省、反省。
行政の方も私たちと同じ市民ですし、給料に見合っただけの仕事があって、それぞれに家庭があるのも忘れてはいけないと思います。
勝手に公共事業
行政に任せてばかりではいけない
糸島市の行政職員は400人程度です。
そして人口は約10万人です。
つまり、職員1人が約250人の市民の面倒を見ているとも言えます。
小学校時代を思い起こせば、1クラス30人程度でも担任の先生はアップアップだったと感じます。
職員1人が市民約250人の面倒!
行政が出来ることは限られています。
もっと、自分たちがやれば出来ることは、行政に任せずにやれたらいいなと思います。
そして、できれば行政はそんな動きをバックアップしてくれると助かります。
行政のバックアップがないと、変な人が変なことしている!で話が終わってしまう危険性だってありますから。
ベンチ計画も、実はその発想の元にあります。
勝手に公共事業です。
私有地を活用します
公共空間に勝手に物を置いたら、さすがにいけないので、今回の計画では、ベンチは私有地の軒先をお借りする計画です。
ご協力頂いた、まんまる食堂さん、ここのきさん、古材の森さん、ハイホーさん、ランプーさん、観光協会さんに感謝です。
↓ご協力頂けるお店と施設
製作においては、出来るだけ安全性や耐久性に考慮して、プロの作家さんに関わってもらう予定です。
ベンチ自体はお店に寄贈となるので、管理はお任せしますが、皆さんの支援で出来たベンチなので、出来る限り大切に使ってもらえたらと思っております。
今回のプロジェクトを通じて、「うちの家の前の敷地にもベンチを置こうかな・・・隣に住むおばあちゃん、足腰悪くて、いつも外出大変そうだしな・・・」みたいな方が増えてくれると本当に幸いです。
その想いこそが、私がクラウドファンディングをやる大きな理由でもあります。
誰かの優しい心の後押しになればと思っております。
前原商店街はその見本となるショーケースになればいいなと思っています。
100年前に、7000台のベンチで繁栄した街があった!!
そして理想は以下の写真。
↓アメリカ・セントピーターズバーグの、ベンチだらけの繁華街(建築家・大西さんのnoteより)
「100年前、7000以上のベンチによって繁栄した街があった!」との見出しが強烈な、大西さんのNOTEです。
セントピーターズバーグはアメリカ・フロリダ州の小さな街です。
地元の不動産屋の親父ノエルさんが、地域のためにベンチを置き始めたのが最初のきっかけとのことです。
ノエルはすぐに街全体としては人がいるはずなのに、自分がもつ不動産の足元(グランドレベル)の人の流れがまばらなこと、そして通りがかる人が座る場所を探していることに気付きました。そこで彼は思ったのです。「これ、ベンチ置いたら、人がたくさんきて、物件の1階のお店も儲かるようになるんじゃないか?」
(建築家・大西さんのnoteより)
その試みは大成功。
人の流れが劇的に変わっただけでなく、多くの人が真似をしてベンチを置き始めたそう。
そしてピーク時はなんと7000台のベンチがまちかどに置かれたとか!!!
すごい!すごいです!
市長の発案で、ベンチは緑色に塗られ、「グリーンベンチ」と呼ばれたそう。
今ではそのベンチはありませんが、グリーンベンチのレプリカをキットにして販売する人が現れたり、グリーンベンチの存在に影響を受けたコミュニティ雑誌「グリーンベンチマンスリー」が創刊されたりして、そのベンチの影響は止まることを知りません。
いかにベンチの存在が大きかったかを物語っています。
前原商店街にベンチが並んだら本当に楽しいですねぇ。
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<クラウドファンディングは、終了しました。ありがとうございました!>
↓【地元の木材とみんなで作る商店街ベンチ】まちに新しいコミュニティを創る!https://faavo.jp/fukuokachuou/project/3081
なお、振込でのご支援は受け付けております。
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「ベンチデザインコンテスト開催!」糸島・前原商店街ベンチプロジェクト①
「クラウドファンディング開催!」糸島・前原商店街ベンチプロジェクト②
「商店街にベンチは必要だ!」糸島・前原商店街ベンチプロジェクト③
「飲食スタートアップの聖地」糸島・前原商店街ベンチプロジェクト④
「皮むき間伐の木材を使う!」糸島・前原商店街ベンチプロジェクト⑤
「世界の魅力的なベンチ」糸島・前原商店街ベンチプロジェクト⑥