こんにちは!
要注目の観光地・福岡県糸島市で、
ゲストハウス「前原宿(まえばるしゅく)ことのは」を運営する、のぎー&かなです。
本日もブログ訪問ありがとうございます!
糸島は農業が盛んな地ですが、いろいろな農方がある中で、「自然農」を実践されておられる方が比較的多いのも面白い点です。
世の中には、自然農とか、自然農法、自然栽培など、自然ナントカという農法がいっぱいあって、法律的な定義がないので、なかなか区別がつきにくいのが実情ですが、それぞれ違いがあります。(自然農の説明は後々します)
糸島には、「福岡自然農塾」があり、奈良県の農家・川口由一(よしかず)さんの教えを軸にした農法を学べる場があります。
2月に見学会に行ってきましたので、そのご報告をさせて頂きます。
二丈・松国の見学会に参加
見学会は、朝9:00に集合で、午前中は、糸島・二丈の「松国学びの場」にて勉強会です。こちらの代表は村山さんが務めておられます。
そして午後は移動して、同じく糸島・二丈にある「一貴山学びの場」へ。こちらの代表は鏡山さんです。参加費は1000円で、とてもリーズナブル!
どちらもJRの駅からは離れているので、車で来られるのが良いと思います。西九州自動車道から近いので、福岡市内からも高速一本で30分もかからずにアクセス出来ると思います。
山々に囲まれた、穏やかな地です。
小屋にて受付開始。今日は30名近い参加者が集まるようです。すごいことに遠くは広島あたりからいらっしゃった方もいるそうで、自然農に関しての学びの場が、全国的にはまだまだ少ないのが分かります。
挨拶が始まりました。
とても面白いのですが、今日教えてくださる先輩方のほうが、一段低いところに立って、いろいろとお話されておられます。
常に謙虚さを忘れない心の現れな気がします。
お話を聞いたあとは、ここで畑を借りて、自然農を実践している人も多くいるので、その人たちの畑・田んぼを見学に行きました。
見学の時期は2月なので、まだまだこれからといった時期です。
それにしても思った以上に敷地が広くてびっくりです。それだけ多くの人が自然農を学んでいるのですね。
ところで自然農ってどういうものなんでしょうか?
自然農について
自然農は「耕さず、肥料・農薬を用いず、草や虫を敵としない」という三原則を守る農法です。
奈良県の農家・川口由一(よしかず)さんが広めた農法で、鎌が一本あればだれでも出来て、永続可能な農のあり方として注目されています。
川口さんは、農薬・化学肥料を使った農業で心身を損ね、研究を重ねるうちに自然農というスタイルに行き着きました。
また、川口さんが影響を受けたのが、福岡正信さんという方で、自然農法の提唱者と呼ばれています。
福岡さんは世界的にも有名で、著作が各国語に翻訳されているので、世界中でその名を知られています。
私たちも世界一周旅行中で、オーガニック農園や自然に根ざした循環型社会を目指す「エコビレッジ」に立ち寄る機会がありましたが、「福岡を知っているか?」と聞かれたり、英訳された著書を本棚で見かけたりしました。(ポルトガル・モンサントのエコビレッジ滞在記もチェック!)
福岡さんについての説明は「ぱずーの農業日記」さんに詳しいです。
また、日本で自然農法を実践される方にお話を伺うと、岡田茂吉さんという名前もよく出てきます。
岡田さんは宗教法人「世界救世教」の創設者で、独自の自然農法を教えの中で提唱しました。農薬や化学肥料に頼らず、おいしくて生命力にみちた作物が、心身の健康につながり、環境や地球に負担をかけない循環型社会にも繋がるという発想です。岡田さんの農法で特徴的なのは、「肥毒」といって、「肥料や農薬」の問題点を追求している点です。
他にも「自然ナントカ」という農法があって、それぞれの話を聞いていると定義の違いが難しくて混乱してしまいますが、法的な定義がない以上、始めた人に敬意を表し、「ダレダレ式自然農法」っていうべきではないかなぁとは個人的には思います。
ただ、とにかく共通するのは、「農薬や化学肥料を使う農法が、作物を育てる人の健康を害するだけでなく、生態系を壊して、土壌を育てられないので、永続性がない点」を問題視していることです。そして、慣行農業や有機農業における「良かれと思って、肥料をやりすぎてしまう点」も解決したいと思っているのも共通します。
肥料をやるのもダメなの!?って思いましたが、確かに、人間における栄養剤のようなものでしょうから、栄養剤ばっかり飲むのって体に良さそうな感じはしませんよね。何事も適量が大切ですが、その適量具合の見極めは確かに難しそうです。。。土に蒔いた後に、野菜に吸収されずに残った肥料についても考える必要あるでしょうし。。。
農の世界は奥深いです。
畝を作ります
畝を作るのは2月が適しているそう。夏に向けての野菜を育てる準備ですね!
まずは村山さんより草の刈り方を教えてもらいます。
普通の草刈りでは刈った草は捨てると思いますが、自然農では畝たてした後に、また土を覆うように戻します。
ただ、根っこが生きていると、また根を張って元に戻ってしまいますので、根の部分からしっかり刈るのが重要です。
先輩たちが一気に刈っていきます。
川口由一さんの自然農では、ほったらかしにするのではなくて、最低限の人間の手は入るということですね。
畝を作るための、目安となる作付け縄を張ります。
畝が崩れないように斜めにスコップを入れていきます。
畝は基本的に水はけを良くするために行います。育てる作物や土壌の性質次第では必要ないそうですが、どこに野菜を植えたかわかりやすいという特徴もあるようです。
掘った土は、畝に戻して、砕いていきます。
おお!綺麗。ここから刈った草を戻していきますが、地力がないと感じた場合は、草を戻す前に米ぬかや菜種油の絞りかすを蒔くこともあるそうです。
地力があるかないかを判断するのも難しそうですが、多分土を触ったり、匂いを嗅いだりしないと分からないでしょうね。
土を裸にしないのが重要とのこと。
今はマルチといってビニルで覆う農家さんも多いですが、本来、こうやって草などで覆っていたんでしょうね。
草は不均一に発酵するのを防ぐため、均一に撒きます。この発酵という作用もきっと土や作物に良い影響を与えるのだと思います。
ビニルの場合、確かに便利ですが、片付けをしっかりしないと、ボロボロになって破れたビニルが散乱した農地もたまに見かけます。
自然にも還らないので、最終的に燃えないゴミになりますしね。
草はタダだし、片付けも必要ないし、良く考えると結構合理的な気がしてきました。
出来上がりました!野菜のためのベッドって感じですね!
ここで寝たら気持ち良さそう。
ジャガイモを植えていきます。
芽を横か上に向けますが、霜にやられないように草をかけます。
そして、芋1個分より深く埋めます。
なるほど〜。ジャガイモを植えるにもやっぱりコツがありますね。
ちなみに午前の学びはここまで。今から「一貴山学びの場」へ移動して、昼食・午後の学びとなります。
私たちも近い将来、自分たちで野菜やお米を作りたいと思っていますが、やっぱりまずは誰かに習った方がいいと感じます。
川口さん流の自然農は、そもそも農業が基本自給用だった時代の農法に近いんじゃないだろうかという気がします。
身の回りにあるものだけで賄うという感じで、道具や肥料を大金使ってどこかから買わずに済みますし、知恵と時間を使うことで、低コストで、ずっと続けられる農業が可能になっているのかなと思います。
糸島には教えてくださる方がいらっしゃるので、とても幸運です!
遠方からいらっしゃる方もいましたので、普通は教えてくれる人が近くにいないものなんだと思います。
糸島はもとより、福岡市にお住いの方はぜひ足を運んでください。近くに学びの場があるのはとても貴重ですよ。
こんな本もあります。実際に自分たちでやり始めたら参考にしたいと思います。
「後編」では、田んぼの苗床の事前準備の様子をレポートします。お楽しみに!
明日も糸島を楽しみます!!
農園情報
農園名:福岡自然農塾
住所:糸島市二丈松国、二丈一貴山
HP:http://www.asahi-net.or.jp/~ir2e-kgmy/
**糸島コンシェルジュがいる宿**
福岡・糸島ゲストハウス
前原宿(まえばるしゅく)ことのは
(Itoshima Guesthouse Kotonoha)