「高麗窯(こうらいがま)」希少な登り窯で焼く、糸島の唐津焼

こんにちは!

要注目の観光地・福岡県糸島市で、
ゲストハウス「前原宿(まえばるしゅく)ことのは」を運営する、のぎー&かなです。
本日もブログ訪問ありがとうございます!

今でこそ130組を超えるクラフト作家さんが集まる糸島ですが、30、40年前まではほんの数組だったと言います。
今回は、そんな昔からずっと工房を構える「高麗窯(こうらいがま)」さんをご紹介します!

唐津焼の高麗窯

場所は芥屋にあります。
芥屋の海水浴場や、観光名所「芥屋の大門(けやのおおと)」へ行く際に看板を見かけた方も多いのではないでしょうか。

手作りで作ったギャラリー

↓ギャラリー外観
高麗窯 - 1

大きな壺に、白地で高麗窯と書かれた文字がインパクトありますね。

建物はかつての木造校舎を再利用して、ご主人の古家さんが自らDIYして作ったそうです。
一部の柱は木製電柱を使ったとのこと。

↓広々としたギャラリー
高麗窯 - 2

天井の高いギャラリーには、所狭しと作品が並べられています。

↓花器も多い
高麗窯 - 4

器や湯のみだけでなく、花器も充実しています。

高価な器も!

箱階段には、とても高価なお皿や花器が並んでいます。

↓高価な器もいっぱい
高麗窯 - 3

値札をみると10万とか15万とか書いてあるので、触る手も慎重になります。笑。

↓高価な茶器も!
高麗窯 - 19

こちらの棚には茶器が並んでいます。
やはり値札を見ると、15万とか20万とか。

一見するとなぜ、こんなに高いのか素人目には全く分からないのですが、これには理由がありました。

高麗窯さんでは、本場唐津でも今はほとんど出来なくなった「登り窯」を使って、焼いておられます。
しかもご主人の研究熱心さから、博物館級の代物が売られているのです。

ゆえに高価な器はお茶を嗜む人よりむしろ、器を研究されるような方が買っていかれるとのこと。
とても貴重なのです。

 

現代に蘇る焼き物

唐津焼は、主な原材料に粘土を使う「陶器」で、素朴で自然な風合いが好まれます。
侘び」の精神にも通じるので、茶人に愛されたと言われています。

そんな唐津焼の始まりは16世紀ごろ。
朝鮮からの陶工が佐賀の唐津で技術を伝えたのが発祥と言われています。

様々な種類の焼き物

唐津焼にも色々あって、釉薬の使い方や絵があるかないかで、様々な技法があります。
高麗窯さんのギャラリーでは、技法別にジャンル分けされていて、とても見やすくなっています。

↓焼しめ
高麗窯 - 焼しめ

焼しめは、鉄分の多い土で作った陶器で釉薬を用いません。
窯の中でかぶった灰が天然の釉薬となって、独特の模様を作り出します。

↓粉引
高麗窯 - 粉引

個人的に好きなのは、粉引(こびき)です。
白い化粧土を釉薬の下にかけていて、味わい深いです。
使い込むほどに色味が変化していくのだとか。

過去から学ぶ

注目すべきは、三島手(みしまで)です。

↓三島手
高麗窯 - 三島手

器が生乾きのうちに、紋様を施したものですが、上の写真の、「ざる」に飾られた陶片にご注目!

300年以上前に作られた唐津焼の欠片ですが、ご主人自ら佐賀の山の中に入って、土地の持ち主と交渉して掘り出してきたものです。
今では、これらも貴重な文化財扱いで勝手に掘り出せませんが、昔は価値あるものとは思われていなかったようです。

↓手前:高麗窯の三島手
高麗窯 - 三島手2

手前は高麗窯の三島手
自ら掘り起こしてきた、かつての名工の作と対峙しながら、作陶に挑まれたそう。

ご主人は、昔の唐津焼の素晴らしさに惚れ込み、今の世に新しい価値として提案出来ないか試行錯誤されておられます。
ある意味、博物館で飾られるようなレベルの作品が、「現役」作品として売られているのですから、喉から手が出るほど欲しい方はいらっしゃるでしょうね。

海外のコレクターさんも足繁く高麗窯さんにいらっしゃるのだとか。

 

↓絵唐津
高麗窯 - 10

絵唐津も300年前のものは今とは少し違うようで、一筆書きのように、なめらかな筆跡が特徴らしいです。
私のような素人では言われないと気づかないですが、分かる人にはその違いが一目見て分かるんでしょう。

↓新羅時代の器から
高麗窯 - 新羅

これは1000年以上前の、統一新羅時代の作風にインスピレーションを受けて作った作品です。
素朴ですが、とても力強い造形ですよね。
器の下部に描かれた、花の紋も高貴な雰囲気が漂います。

以前参加した、糸島の刀匠・瀬戸さんの講演で、瀬戸さんは、「技術は常に最新が最高ではなくて、かつての名刀の中にはどうやって作ったんだろう?と驚愕するものもある。そのレベルを超えたいと毎日必死に作刀に挑んでいる」とおっしゃっていました。

器もきっと同じなんだと思います。

ここまでくると、なぜ屋号が高麗窯か分かってきました。
日本の陶芸のルーツでもある朝鮮に想いを馳せた屋号なんですね。

自作の登り窯

ギャラリーの裏手には、自作の登り窯があります。
これもご主人と奥さんが二人で数ヶ月かけて作られたそうです。

↓登り窯
高麗窯 - 登り窯1

連房式登り窯と言い、高麗窯さんでは、3つの窯が連続して立ち上がっています。
一番下の竃で火を焚いて、それぞれの窯をどんどん熱して、焼き上げていく方式です。

かなり大規模ですね。

ご主人の古家さんはもともと陶芸を習っていたわけではなかったので、佐賀の山の中に残っている登り窯を見学して、寸法を測って、糸島の地に自作されたそうです。

 

↓粘土で固められた天井
高麗窯 - 登り窯2

↓窯の内側
高麗窯 - 登り窯3

高麗窯 - 登り窯4

窯の内側は1300度もの高温に達し、一気に焼き締められます。

窯の内部では温度差があって、出来上がった器の風合いや硬さなどが一定ではないのも、「個性」になって面白いと思います。

↓牧
高麗窯 - 登り窯5

当然、大量の牧を必要とします。
今は年に2、3回火入れをするそうで、だいたい窯開きのタイミングに合わせて行います。

煙が出るので、唐津市内だと苦情もあって、ほとんどの窯元が登り窯を使えなくなったと伺いました。
なかなか残念な話です。

登り窯で作り続ける高麗窯さんは貴重です。

↓温度を測ります
高麗窯 - 登り窯6

動物の爪のようなオブジェですが、これは窯の内部の温度をチェックするためのもので、温度が低すぎると全部曲がらないし、温度が高すぎると全部曲がってしまうそう。

窯内に入れた爪の曲がり具合を見ながら、窯の温度を調整します。

↓息子さんと一緒に!
高麗窯 - 17

ご主人の息子さんも一緒に作陶されています。
お忙しい中ご案内ありがとうございました!

↓ご主人の古家さんと!
高麗窯 - 18

これは別の日に訪れた時の写真。
ご主人の古家さんは、病気でしばらく入院しておられたそうですが、復活されました。

生きているうちにやりたいことが100あるとするならば、あと2%だけやり残したことがある。今年から来年にかけての作陶に賭ける」とおっしゃっておられました。

かつては、この窯場から、芥屋の海が望めたそうです。
その先には、壱岐・対馬を経て、朝鮮半島があります。

素人同然で始めた作陶で、最初は全然うまくいかなかったそう。
どうしていいかわからないので、毎日のように、窯場から海の向こうを見つめながら、必死にうまく行くようにお祈りしていたとのことです。

すると、うまくいくようになったんよ

ブラジルの日系農園・ゆば農場に行った時に知った、「開拓して畑を作っても最初全く雨が降らなかった。もう神に祈るしかなかった」というエピソードを思い出しました。

祈りとは自然に対する畏敬の念なんですね。

祈りの末に出来上がった作品がたくさん並んでいます。
ぜひ糸島の高麗窯さんに足をお運びください。

店舗情報

店名:高麗窯
営業時間:10:00-17:00
定休日:無休
住所:糸島市志摩芥屋157
HP:http://itomirai.web.fc2.com/simanet/custmer/kourai/index.html
地図:

(※2018年6月現在の情報です)

明日も糸島を楽しみます!!

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(Itoshima Guesthouse Kotonoha)