タイ人のアートから垣間見えるタイの現状 , Chiang Mai , Thailand

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こんにちは!

夫婦で一年間の世界一周旅行の後、福岡県糸島市で、
ゲストハウス「前原宿(まえばるしゅく)ことのは」を運営する、のぎー&かなです。

本日もブログ訪問ありがとうございます!

さて、「タイ」で2015年11月15日に、私たちが体験したお話です。

誰もいないアートの祭典

チェンマイにいます。

今週はチェンマイ大学で第61回ナショナル・エキシビション・オブ・アート(National Exhibition of Art)が開催されているというので、お出かけしてきました。

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まー、イマイチどういう企画か分かってないのですが、タイの現代美術が見れそうで楽しみです。

会場に着いたら、日曜日なのに誰もいない。。。

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受付のスタッフもいなければ、お客さんもいない。大丈夫か。。。

なんか友人の話によると、タイ人はそこまでアートに興味がないとか。。。

それにしても、ものすごく広い会場に、巨大な作品がいっぱい飾られています。
どれも幅2メートルは超えていて、しかも、超細い!!!絵画でも写真を下絵に使ったり、デジタルとアナログをミックスさせたりして、様々な技法を駆使しています。実験的でものすごいレベル高いと思いますよ。

全体的にモチーフが暗い、色彩がダークなのは、もしかしたら今のタイの経済を象徴しているかもしれませんね。
アーティストは敏感なので、その国の内情や問題を知りたければ、経済学者や社会学者の意見を聞くより、現代美術展に行って、アーティストの作品をいっぱい見た方が為になります。

全体的な印象や、それぞれが取り扱うモチーフに、興味深いテーマが隠れていたりします。

個人的には、ポートレイト(どれもミョーに暗め)や、屋台や食堂で働いている人など、身近な人を取り扱うのが多い印象です。
あと、街並みや自然の超細い描写など、これ何ヶ月かけたんだろう?みたいな大作(どれもモノトーン多め)もいっぱいありました。

例えば、こんな感じ。

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比較的明るめなのを、選んでみました!
そう、他のはもっと暗かった。たまーに、ホッコリする作品もありましたが。。。もう、とにかく細かいですね。すごいと思います!

そういうわけで、多くの作品では、肯定的というより、否定的・問題提起的側面が強いのかなぁと感じました。
消えゆく景観や文化、自分を取り巻く人間関係、社会との関わりなど、なんだか色々考えることがあるんだろうなぁ。

タイの問題って何!?

このアートから受ける印象から、急にタイの政治情勢が気になって、色々調べてみました。

なぜ民主主義が定着しない?」というタイを2010年に取材したジャーナリストの記事を読んで、軍事クーデターが頻繁に起きるタイの内情や、日本では皇室は「国民の象徴」ですが、タイでは王室が「政治的な影響力」を持っているという点も理解できました。
また、「~タイ政治を動かす国王と仏教は現在の混迷を救えるか~」を読んで、「仏教」が政治的にものすごく影響力が大きい点も理解しました。色々な歴史的な流れがあるんですねぇ。興味ある方はリンクをチェックしてみてください。

最初に挙げた文章中に、『貧困家庭の子供が将来に夢や希望を持てず、大人になっても勤労精神がないといった『貧困の連鎖』』って表現があって、気になっていたのですが、ある時、タイ人の友人エーク君に「タイ人はみんなどんな仕事したいの?」って質問を投げかけたら、「タイ人は、出来れば仕事したくないって人が多いです。いわゆる“ヒモ”になりたいというか・・・・笑」って言ってました。(あくまでこれは彼の主観ですけどね)

多くの日本人旅行者で、「タイののんびりした雰囲気が好きだ」と言う人も多いですが、先ほどの文章を目にした時、もしかすると「のんびりした」っていうのは、日本人的な主観なだけで、実は「ある種の絶望」も含まれているのかなって気がしました。
一生懸命やってもムダだな〜的な。。。

私たちのタイ人の友人は日本へ留学していた人も多くて、彼らは夢や希望に溢れていたし、日本人のタイへの好感度もすこぶる高いので、日本に居た頃は、「なんでそんないい国で、あんなに政治的に混乱するんだろう?意味不明」ってずっと思っていました。

やっぱり、現地にずっと滞在して、現地の人と交流をしていると、その場所の良いところも悪いところも見えてきますね。

もしタイが好きで、よく訪れる方は、チャンスがあれば、現地で出来た友達に「将来の夢」を聞いてみるといいと思います。興味深い答えが返ってくるかもしれません。

私たちの一年間の世界一周の軌跡が、皆さんのお役に立てれば幸いです。

**今度は私たちがゲストをもてなします!**
福岡・糸島ゲストハウス
前原宿(まえばるしゅく)ことのは
(Itoshima Guesthouse Kotonoha)