今日も素晴らしい一日を!
福岡県糸島市で、ゲストハウス「前原宿(まえばるしゅく)ことのは」を運営する、のぎー&かなです。
記事をご覧くださり、本当にありがとうございます!
2019年11月4日(月)〜10日(日)まで、私たちの地域団体「前原もっと楽しもうプロジェクト」が開催したイベント「前原DIYリノベウィーク2019」は総勢300名以上の方々が糸島・前原商店街を巡った楽しい一週間でした。
イベント概要は以下のリンクをご参照ください。
今回は、本部「旧牧野茶屋」で行った「前原の今」に関する展示についてレポートします。近年の前原の出店ラッシュの秘密が分かるかも!?です!
DIYリノベで盛り上がる、前原「笑」店街
江戸時代の宿場町だった前原商店街は、昭和時代には糸島随一の繁華街として栄えていました。
ショッピングモールが隆盛を極めた2000年代以降は、他の商店街と同じようにお店の数を減らしていきましたが、2016年以降、急にお店が増えています!
ポイントはDIYリノベーション(=DIYリノベ)!
それをきっかけに、個性的なお店が増えたり、面白い人たちが集まってきたりしているのです!!
商店街というより、もはや「笑」店街ですね!
ちなみにDIYリノベとは以下の通りの造語です。
古い建物の改修、地域の再活性化という時に、プロの力や補助金ばかりに頼るのではなく、文字通りなるべく「自分たちの力」でやっていこうよ!という考え方です。
DIYリノベをした方が、個性的な物件や街並みが形作られ、それが好きな人が現れるという好循環が生じます。結果的に、その後の不動産的価値が向上する例が後を絶たず、全国的に注目されている「福岡発」のムーブメントです!!
不動産を所有されている方ならばお分かりと思いますが、日本では通常、新築の状態が不動産価値MAXで、徐々に目減りしていって、数十年で価値0にまで下がってしまいます。
築50年以上のオンボロビルが不動産価値を向上させたなんて事例を知ったら、目が飛び出るほどびっくりするはずです。
糸島・前原商店街は地域全体がDIYで盛り上がりつつあります。
物件だけでなく、「地域」がDIYで活性化すればもしかすると全国的にも先進事例になるかもしれません!
2019年度の参加店舗は以下の14店舗・施設でした!
本部「旧牧野茶屋」の様子@ 前原DIYリノベウィーク2019
前原の歴史
前原の将来を考えるならば、前原の過去がどうだったのかを知らないと始まりません!
という訳で、調べられるところまで遡ってみます。
前原の古代
糸島半島は今でこそ「半島」ですが、大昔は海が左右から入り込んでいたので、ほとんど「島」だったと言われています。「志摩=島」から来ているんでしょうね。
海は江戸時代の干拓事業で、ほぼ現在の海岸線になったようですので、かなり最近まで海が前原のずっと近くにあったのです。
前原は「岬」のような好立地で、船で貿易などを行っていたようで、商店街の旧家・西原家(綿屋本家)では、江戸時代頃は蔵が10数棟も敷地内に並んでいたそうです。
ちなみに西原家(綿屋本家)は、現在の天平工房がある場所です。
現在の雰囲気からは全く想像できませんね。
次に、江戸時代の前原です!宿場町の時代ですね。
前原の江戸時代
これは古材の森の店長・有田さんが復元された宿場町の地図です。
「うなぎの寝床」とも呼ばれる、宿場町独特の敷地割が特徴で、この敷地割は現在の前原商店街の風景を形作っています。
宿場町時代には、旅人が泊まっていたので、その様々な需要を賄うため、糸島中から物や人が集まってきていたそうです。
さて、地図をよく見ると、前原の総鎮守「老松神社」も宿場町のすぐそばにあったり、法林寺も長田履物店などがあるエリアにあったりしたのが分かります。
江戸時代の名残は今でも至るところにありますが、「看板」などがないため、ついつい素通りして気づかないのが実情です。
なんとか改善したいポイントですね。
そして、昭和以降の前原です。
前原の昭和〜平成時代
びっくりするような人の多さですね!
写真は昭和30年代ですが、糸島随一の繁華街で、まさに糸島の渋谷や天神というところ。
かつては劇場や映画館もあったようです。
前原の令和時代(お店急増!)
そして今!
DIYによって、ユニークなお店が次々誕生しています!
アラビアンナッツショップのリトルスークやレコードショップ&バーのスピークイージーなど、個性が際立っています!
開業年別の店舗&イベントリスト
開業年別参加店舗リスト
実際、出来たお店を開業年別に表にまとめると、さらにびっくりする事実が分かります。
2016年以降は急激に出店が増えているのが分かります!
びっくりしますね!
私たちが宿「前原宿ことのは」を開業した2016年には地元の不動産屋さんから「前原に出店したい人は一人もいません!」と断言され、実際にその通りだったので衝撃を受けましたが、変われば変わるものですね。
何もしなければ、こんなにお店が増えることはなかったと思います。
やはり、地元の商店街の店主さんをはじめ、多くの方が様々な活性化に取り組まれてきた影響も大きかったと思います。
前原を彩るイベントの数々
まずは、宿場町だった名残をかつての御膳料理体験も含めて楽しむツアーです。
これは古材の森の有田店長の名物企画です。
そして、商店街の末松お菓子屋の名物「栗まんじゅう」を復活させようというプロジェクト。
歳末大売り出しの時にしか販売していなかった栗まんじゅうをもう一度!という企画で、栗まんじゅうの唄も出来たくらい盛り上がったそうです。
インパクトのある唄ですね!
この栗まんじゅうプロジェクトは九州大学の学生が引き継ぐかもしれないプランもあります。
そして軽トラ市やシェア教室「めいてん」事業も!
さらに定期的に開催されている落語会も!
そして、私たち「前原もっと楽しもうプロジェクト」
諸々やっております。
前原もっと楽しもうプロジェクト(=前楽)の活動
地域の商店主の個性や想いに焦点を当てた「カフェさんぽ」企画!
そして、飲み歩きイベントの「マエバルウォーク」!
やっぱり街で交流したいという需要はとてもあると思います!
消費の街から「交流と創造の街」への脱皮が求められているように感じました!
【レポート前編】第1回カフェさんぽ「自家焙煎カフェを巡ろう!」
「マエバルウォークVol.3」のレポート@ 前原DIYリノベウィーク2019
上記で解説したように、歴史から未来を紐解く作業です。
調べるとやっぱり面白いもので、世界中に支店を展開する「焼とりの八兵衛」さんの「本店」が前原にあったり、大きな家具屋を展開する「中村家具」さんも前原が創業地だったりして、「外」へ向かうベクトルがとても大きな地だなと感じました。
ご存知の通り、糸島ブランドで知られる農産物で有名な糸島は食材の宝庫です。
まさに飲食で起業したい方には最適です。
前原は糸島ではお酒が飲みやすい立地になるので、「夜のレストラン・立ち飲みバル」などを考えておられる方にはぜひオススメしたいです。
そして、お掃除活動。
私たちがとても重要に思って、楽しく活動しているプロジェクトです。
やはり、自分の庭にゴミをポイ捨てする人がいないように、
前原の街を自分の庭のように大切にする人が増えれば、街角にゴミをポイ捨てする人は自ずと減ってくるはずです。
また、街がきれいになると、「この地域は住民から愛されている!」・「地域の面倒を見てくれる人がいる」というアピールにもなり、安心感を生み出します。
起業・居住の場所としての魅力が増してきます。
そして最後に半公共空間の活用です。
本来、日本の街にはプライベート空間と公共空間の間に「半公共空間」と呼ばれるスペースがあって、人々の交流や会話の舞台になっていました。
縁側や縁台がまさにそんな空間です!
そんな空間をもう一度作ろうとしたのが「商店街ベンチプロジェクト」です。
多くの方のご協力で、複数のベンチを商店街に置かせて頂いております。
また空き店舗も誰も入れない点ではプライベート空間です。
そこを1日だけ映画祭の会場としてお借りして、不動産の活用にチャレンジした企画も行いました。
その後、お借りした不動産が賃貸市場に出て、地域の活性化に役立ったりと思わぬメリットもありました!
【前編】空き店舗が映画館に!?ショートショートフィルムフェスティバル in 糸島・前原会場
イベントと出店の驚くべき因果関係!
先ほどご紹介した、創業年度別の参加店舗リストと前原で繰り広げられたイベントの期間を表にまとめてみました。
驚くべき事実が分かりました!
やはり、イベントをすることで人の縁が出来て、出店に繋がる。
そんな流れがあるように思います!
実際、イベントの主催者にインタビューをすると、いくつかその流れを確認できました。
上図の緑色が私たち「前原もっと楽しもうプロジェクト」が仕掛けたイベントですが、2017年からカフェさんぽやゴミ拾いなどのイベントを通じて、SNSで前原をアピールしまくったのも、2019年の大量出店に多少効いたかもしれません。
もしそうであれば、2018〜2019年にかけて行った、商店街ベンチプロジェクト・マエバルウォーク・前原DIYリノベウィークの影響が2021年頃に出てくるかもしれません。
楽しみです!!
前原の未来
そして、私たちが考える前原の未来像です。
「前原サンセバスチャン計画」と名付けています。
これは世界一の美食の街スペイン・サンセバスチャンにあやかったプロジェクトで、前原商店街を飲み歩きが楽しめるエリアにしようという目標を持っています。
サンセバスチャンとは?
世界中から「食の魅力」で人を引き寄せるのは、サンセバスチャンが世界No.1です!
近年では日本のテレビや雑誌でも取り上げられる機会が増えましたが、私たちも2015年に旅行でサンセバスチャンを訪れて以来の大ファンです!
1日目のテーマ「最高の評判の店と超ローカルな店へ!」美食の街「サンセバスチャン(San Sebastián)」でバル巡り , San Sebastián , Spain
世界一と呼ばれるには理由があって、まず旧市街をバルと呼ばれる立ち飲み屋が埋め尽くしています。
ピンチョスと呼ばれる小皿料理がそれぞれのお店にたくさん並び、各店舗には珠玉の看板メニューがちゃんとあるんですねー。
そんなお店をはしごするのがもう本当に楽しい!!
日本にはなかなかない光景ですが、私たちが行う飲み歩きイベント「マエバルウォーク」はその雰囲気に近いと思います。
お店同士はライバルというより、地域の魅力を高め合う同志的存在。
定期的な料理勉強会などを行い、地域全体の食のレベルは年々高まっています。
これが出来る地域は世界でもほんの一握り。
ただかつてのサンセバスチャンは決して特別な地域ではなかったと言います。
それから、気軽なバル街だけでなく、超一流のミシュラン星付きレストランの密度も世界最高峰。
そんな街がマドリッドやバルセロナのような大都会ではなく、地方都市であるのも特筆すべきポイント!
田舎の可能性を感じますね〜。
しかも会員制の「美食倶楽部」が120を超えて存在しています。
美食倶楽部は、仲間同士が専用にキッチン&ダイニングをシェアして、集まって料理してワイワイやろう!というサークル活動のようなものですが、「食」に関して詳しい人が多いのもサンセバスチャンが美食世界一の背景としてあります。
確かに、料理人がこだわりの美味しい料理を作っても、違いを分かってくれる人が少なければ価格に反映できないので、美食倶楽部の存在はサンセバスチャンを下支えしたと思われます。
もともと遠洋船乗りが多い地域で、船上で食事を共にする習慣があったからとも、地域では男性が自宅の台所に立てない風習があったので、気晴らしにサロンを作ったのが起源だとか、色々な説があります。
詳しくは以下の書籍をご参照ください。
前原美食街の実現性
日本では、大分・湯布院や北海道・函館などがそういった「有志主体で、街ぐるみでの食のレベルアップ」に先行して挑戦されている印象ですが、前原ではその実現性はどのくらいあるでしょうか?
個人的には、実現性はある!と思っています。
糸島は調味料まで含めたあらゆる食材が地産で調達できます!
日本広しとは言えども、狭い地域でここまで揃う地域はそれほど多くないはずです。
もっと新鮮で美味しい食材を使って料理をしたいと思うシェフはたくさんいるはず!!
そして、糸島でお酒も出すお店をやりたいのであれば、公共交通が集中する前原がやはり第一候補になります。
今は飲酒運転厳禁の時代ですからね。
飲食店が集まり、食べ飲み歩きが出来るのも利点です。
また地元民も観光客も、糸島で夜に食事をするという発想があまりありません。
「糸島=ランチ」のイメージが強すぎるのも一因です。
逆に捉えれば、これはチャンスじゃないですか〜?
そしてやっぱり励みになるのが、焼とりの八兵衛さんの存在です。
前原発祥で世界に出て行ったお店があるのはすごいですね!
これから前原で飲食起業する人は励みになるはずです。
「将来、自分も海外に店が持てるかも!?」
夢は広がります。
前原での飲食起業のメリットを話し出した途端に、衝撃の展開が待ち受けていました。
エスニック居酒屋ハイホー・初代店主の北山さんがタイ・チェンマイに移住し、ハイホー・チェンマイ支店として「串揚げ屋」をオープン!
徐々に認知度を高め、人気になってきているようです。
ハイホー本店が前原で起業してからたった2年での海外進出です!!
本当に前原は「飲食起業の聖地」かもしれない!??
糸島・前原で飲食起業したい方、お待ちしています。
【糸島移住者必読!】糸島・前原で飲食開業の前に、絶対に読むべき開業のヒントまとめ!
前原の仲間
親類も友人もいない地で、起業をするのは本当に勇気のいる話だと思います。
ただ糸島の場合は、移住者も多く、様々なイベントや集まり、飲み会などを通じて交流を広げるのが可能です。
いくつか私たちの友人がやっているコミュニティイベントをご紹介しますね!
まずは「いと会」
福島さんがやっている飲み会です!
毎月1回の開催で、2016年から続く驚異のイベント!
様々な人と一気に知り合いになれますので、まずは福島さんと知り合って、気軽に参加されてみてください。
そして落合さんの「わいわい麻雀協会」
麻雀が好きな人も初心者もぜひ!
「糸島企画」のホームページをご覧ください。
「いとしまシネマクラブ」は前原を中心に上映を行う、映画企画です!
アムールさんなどで上映されています。
映画は主に「United People」社配給の良質なドキュメンタリーが中心。
意見交換や交流も重視していて、映画を介したコミュニケーションも楽しめます。
詳細はNPO法人オイスターのホームページをご覧ください。
そしてザツダンベース。
コワーキングスペース「糸島よかとこラボ」に入居する株式会社アイガモさんの企画です。
ビジネスのヒントを求めている方には最適です。
フリーランスはぜひ糸島へ!雑談会「ザツダンベースVol.1」@糸島よかとこラボ
そして私たち「前原もっと楽しもうプロジェクト」。
まずはお掃除に来てくれると嬉しいです♪
毎月1日の朝8時から!
ぜひ前原へ!
前原は今、一気に変化の時代を迎えています。
その波に乗りたい人はぜひ前原に来てください。
2、3泊して、様々な人と知り合うのがおすすめです。
宿泊予約歓迎ですよ〜!
また、まちづくりや不動産、DIYリノベに興味がある方はぜひ前原商店街に見学に来てください。タイミング合えばご案内可能です。
ツアー形式で、しっかりコミュニケーションを取りながら見学できます。
ご予約は以下のリンクよりお願いします。
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