今日も素晴らしい一日を!
福岡県糸島市で、ゲストハウス「前原宿(まえばるしゅく)ことのは」を運営する、のぎー&かなです。
記事をご覧くださり、本当にありがとうございます!
最近、糸島に移住して飲食店を開きたいという宿泊者の方が多くいらっしゃいます。
個人的には、糸島の中心・前原(まえばる)への出店をおすすめしておりますが、知らない土地に大金をかけて出店するのはとても怖いですよね。
私たちも前原DIYリノベウィークなどのイベントを行ったり、マエバルウォークという飲み歩きイベントを主催したりして、地域とのつながりを深めてきた流れがあります。
また、多くの飲食店開業者との交流やグルメな人との情報交換、糸島の飲食店の食べ歩きをしてきた経験から、糸島移住からの飲食開業者向けの情報を公開して、ぜひ参考にしてもらおうとこの記事にまとめました。
別に以下の内容を熟読すれば繁盛店が出来上がるというわけではありません。笑。あくまで一つの参考意見として捉えてくれれば嬉しく思います。
前原スタートアップの「ススメ」
「糸島に出店したい!」という方は多くいますが、その中心地である「前原(まえばる)」について簡単に説明したいと思います。
前原の歴史
上の地図において、緑色の範囲が「糸島市」になります。
だいたい20km四方の四角形に収まる広さです。
そして、当宿「前原宿ことのは」が位置するのは、JR筑前前原駅前で、一般的に「前原」というと、地元の人はこの駅前一体の繁華街をイメージします。
(*前原という名前は直接的には市町村合併前の「旧前原市」に由来します。)
福岡市の都心部から電車で30〜40分の近い距離なのもメリットの一つです!
駅前から広がる前原の商店街は、江戸時代の宿場町に由来し、多くの旅人が行き交うだけでなく、糸島中の人が集まる地域の中心でもありました。
昭和時代は、文字通りの繁華街で多くの買い物客で賑わいました。
しかし・・・
平成時代は多くの人がショッピングモールへ買い物へ行くようになったため、前原はシャッター商店街と化し、しばらく寂しい状況が続いていました・・・
ところが・・・
地元の糸島新聞が特集してくれたように、ここ数年で急に盛り上がっているのが前原商店街です!
オープンするお店も個性爆発なお店が多く、エスニック居酒屋ハイホーもその一例です。九州初でベトナム料理・バインミーを売り出したお店です。
お店ができた時は、なぜ前原に?ってびっくりしました。
この流れは実はさらに加速していて、純手打ちパスタ・タリアテッレの専門店や、自らベトナムにカカオを買い付けにいくチョコレート専門店も出来ています。
そんな状況下で、さらに出店希望者が増えているのが前原なのです。
糸島の飲食店事情
糸島といえば「海沿いのカフェ」がイメージされるほど、海沿いでランチは糸島観光の定番であります。
例えば、ベーカリーレストラン「カレント」さんなどは、とても人気ですね。
まるで沖縄のような透き通った青い海と、出来る限り地産地消にこだわった美味しい食事は多くの観光客を惹きつけてやみません。
そんなイメージに憧れ、糸島に出店したい飲食業者さんは増える一方ですが、ランチに関しては、近年は供給過剰ぎみで、諸々の事情でお店を閉じられるところも見かけるようになってきました。
駅から離れた場所にあるレストランやカフェは、基本的に車で行く場所なので、なかなかアルコールの売り上げが伸びないのも一因と思われます。
また、現在、糸島半島の大半のエリアは「市街化調整区域」に指定されています。
単純に言うと、開発が厳しく制限されている地域で、諸々工夫すればできなくはないのですが、基本的に飲食店の新規出店は不可と考えてもらって構いません。
そこで、商業地域であり、公共交通機関が集中する前原が今、注目を浴びているのです。
前原の課題
ただ、前原がバラ色かというとそんなことはありません。
以下のような課題があると考えています。
- 現状、前原は地元民が寄らなくなって久しい。
- みんなで協力をして、「前原」という地域の魅力をアピールする必要がある!
- 賃貸に出ている空き店舗が少ない!
やはり勢いを失って十数年経ちますので、前原に何をしにいけば良いか、もはや分からない地元民が多くなっています。
びっくりする話ですが、私たちが飲み歩きイベント「マエバルウォークVol.1」を開催した時に、前原に住んでいるのに一度も前原で食事したことがない参加者が多くいらっしゃいました。
圧倒的な情報がネット上に溢れる天神や博多で食べる人が多くなっているからだと思われます。
また糸島に来る日帰り観光客もランチを食べて満足して帰っていきますので、ディナーを食べて帰る人はほとんどいません。
前原には美味しいディナーを食べられるお店がいっぱいあるというのに残念です・・・
つまり現状は、個々の店舗が頑張るだけではあまり意味がなく、みんなで協力して「前原」という地域をアピールする必要があるということです!
そして、空き店舗はあっても諸々の理由でマーケットに出てこない物件がたくさんあるのも残念な状況ではあります。
前原で飲食店開業の魅力
では、前原で飲食店を開業する魅力とはどのようなものでしょうか。
私たちは以下のようなメリットがあると思っています。
- 「糸島ブランド」で名の通る、新鮮で美味しい野菜・肉・魚が簡単に手に入る環境で、自分の料理を提供できる!
- 公共交通が集中していて、糸島内では人が集まってきやすい!
- 運転代行業者も多数待機している。
- アルコールなどドリンク類が注文されやすい!
- 競合の多いランチではなく、ディナーで勝負できる!
- 福岡市の都心部に出店するのに比べれば、家賃が控えめな分、冒険的・実験的なお店を出しやすい。
- オープンしてからも試行錯誤の時間が十分に取れる可能性がある!
なんといっても、直売所が充実する糸島は、「糸島ブランド」の地産地消の新鮮食材が簡単に手に入ります!
またオーガニック野菜などを作る意欲的な若手農家さんも多く、その気になれば農家さんから直接、こだわり野菜を仕入れるのも可能な環境です。
私たちは東京在住時代から、多くの料理人さんたちとのコミュニケーションの中で、東京では良い、新鮮食材が手に入りにくいのが、料理人さんたちにとっては本当に苦労だというのを知っています。
腕に自信のある料理人ならば、出来れば素晴らしい食材を簡単に手に入れられる環境で料理をしたい!という想いがあると思います。
糸島なら出来ますよ!
さて、電車・バス・タクシー・運転代行など、自分で車を運転しない選択肢がたくさんある前原は、必然的にお酒が飲みやすい環境にあります。
利益率の高いドリンクが注文されやすいのは経営的にはメリットだと思われます。
以上のメリットから言えるのは、前原では「ディナー狙いのお店」が向いていると言えますね!
そして飲食店過剰の福岡市に比べれば、まだ家賃などの面でも利点があり、冒険的・実験的なお店が出しやすく、開業後も試行錯誤が出来るはずです。
アラビアンナッツ・ドライフルーツに特化したリトルスークさんは好例だと思います。
前原スタートアップの成功の「コツ」
私たちが宿をオープンした2016年頃は、前原は本当に動きがなかったので、出来ることをしようと、本業の合間を縫って、新規開業したお店のDIYから宣伝のお手伝いまでボランティアで色々やらせてもらいました。
やっぱり色々分かることがあります!
一度人がいなくなった街で商売をするのは相当な苦労と試行錯誤が必要です。
後続の人たちには、余計なことに惑わされず、先輩たちと一緒に前原を盛り上げて欲しいと思っていますので、一つの参考意見として、以下のような情報を公開したいと思います。
立地選定
土地勘のない移住者向けの情報です。
- 坪単価5000円前後の物件を狙おう!
- 出来れば1階の店舗がおすすめ。2階は相当不利です!
- 今はネットやSNSで調べてから来店する!駅前が一等地とは言い切れない!
- 糸島は車社会。コインパーキングの位置は把握し、しっかり案内しよう!
立地は重要ですよね。正直、かなり慎重に選ぶのをおすすめします。
すぐ撤退したお店、続いているお店などを分析して、坪単価5000円前後の物件じゃないとなかなか厳しいんじゃないかというのが私たちの感想です。
それ以上の価格の物件の場合は、スタートダッシュをしっかり決めないとまぁまぁ泥沼になる印象です。良い物件を見つけたら、速攻でチェックしてください!
また水平移動ばかりの糸島は、2階以上に飲食店があるのに慣れていない人も多いです。
あるお店に行きたくてずっと探しているのに、2階にあったため全然気づかず、行けなかった・・・そんなジョークみたいな話を何度か聞きました。笑。
2階以上で開業するときは、目指してやってくるお客さんが迷いなくたどり着けるか、ぜひ考えてください。
都会は駅前が完全に一等地です。駅からみなさん歩きますからね。
でも車社会の田舎は、駅から一直線で車に乗り込む場合も多く、必ずしも駅前が一等地とは言えないと思います。
賃料とのバランスになってくると思いますが、無理に駅前出店をするくらいならば、少し不便な立地でもネットやSNSを柔軟に活用して営業する方法もあると思います。
ご自身がメインで営業したい時間に前原をウロウロして、人の動きをしっかり確認してから開業されるのをおすすめします。
前原のコインパーキングは以下にまとめていますので、ご参考に。
お店のスタイル・コンセプト
正直、お店はオーナーの個性そのものだと思います。
私たちがとやかく言う問題ではありませんが、それでも「ヌルい」のはもったいない気がします。
せっかく大金をかけて、自分のお店を持つのですから、「アツさ」を伝えて欲しいと思いますし、それがお客さんに「応援」される理由になります。
以下の点について、自分なりに「答え」を持っていると「強い」と思います。
- なぜ前原でお店を始めたのか!
- 個性を前面に!
- 「好き」をお客さんに伝える、アウトプットする!
- コンセプトは明確に!(ウェブサイト、メニューから内装まで一貫したものを徐々に目指そう)
- コンセプトを伝え続ける気概を!(やりたいことはすぐには理解してもらえない。同じことをずっと言えるかどうか)
- 自分のこだわりは客にとってメリットがあるかを常に考えよう!(自分だけのこだわりは、売り上げ・人気の両面からは損な場合も多い)
- スタッフが少なくてもいける、バル・立ち飲み系の店は有望。
「開業のきっかけ」「個性」「好き」「コンセプト」は本当に重要だと思います。
地元の人が地元にお店を開くのであれば、「そこで生まれたんだから、そこに店を出すのは半ば当たり前やろ」とお客さんは思いますので、そこまで強調する話ではないのですが、やはり移住してきた人は常に「なんで糸島?なんで前原?」と地元の人には思われます。
ほんの少し前まで、糸島はただの田舎扱いされてましたので、若者は外に出て働きに行くのが普通でしたから、糸島への移住開業者の動機が基本、理解できません。
なぜ糸島(前原)で開業なのか!
自分は何が好きで、こういう夢があるんです!
ホームページでもPOPでもしゃべりでも良いので、何かしらそれらを伝える手段を持っていないのと、お客さんは「なぜ?」って気分が抜けないので、根本的に損します。
美味しい・まずい以前に、怪しい人のお店にはまた行きたいとは思いませんよね?
あと、前原特有の事情ですが、それほど規模の大きな物件は滅多にありません。
バルや立ち飲みのような、1人または少人数で回していける形態に必然的になると思います。
内外装について
内外装を誰に頼むかは、地元の業者さんとコネがない移住者にとってはとてもハードルが高い選択だと思います。
また、PRやデザイン、販促についても不安が大きいと思います。
私たちが知っている範囲で糸島の面白い業者さんをご紹介しておきます。
ただ、一番のおすすめはDIYです!
自分で出来る限り楽しくやってみましょー!
- アコーデオンさん(主に内外装、家具)
- トライアド デザイン ワークスさん(デザイン、マーケティング、内装)
- BROS DESIGNさん(内装、デザイン)
- 村上レシピさん(内装、家具)
- AND HEARTさん(美容室・サロン専門の内装)
- 旅する大工・吉岡くん(何でも!)
アコーデオンさんは、前原の多くのお店を手がけておられます。
シンプルながらも温かみと可愛さのある内装が特徴です。
トライアド デザイン ワークスさんは東京から移住してきた高階さんのオフィスです。ずっと有名企業でデザインやマーケティングの仕事をされていたので、お店のコンセプトの段階からも相談できます。また内装も出来るようにと移住前に、内装業者でも修行してきておられます。
BROS DESIGNさんは、糸島の牡蠣殻を使った漆喰を開発されておられます。
糸島の雑貨を取り扱う「ここのき」さんの緑色の漆喰壁を手がけておられます。
色は顔料を混ぜれば、様々な表現が出来るようですよ。
村上レシピさんつい最近糸島に移住された内装、家具屋さんです。
福岡・宮若市のうつしきに行った際に、その喫茶室を村上レシピさんが手がけておられました。
精神性や哲学性も感じられる興味深い空間がとても印象に残っています。
AND HEARTさんは美容室・サロンをメインに設計・施工まで行うデザイン事務所です。明るくて開放感のある色使いが特徴的だな思いますので、カフェや飲食店も手がけて素晴らしい感じもしますね。
そして旅する大工の吉岡くん。
いとしまシェアハウスが大工・イン・レジデンスなる、面白い試みをしていた時に糸島にやってきた旅する大工の吉岡くん。
仲間と一緒におしゃれな手作りサロンを作っていました。
糸島にはいくつか足跡を残しておられます。私も何回かDIY手伝いましたよー。
軽トラを改装したモバイルハウスで全国を旅していますので、呼べば来てくれるはず!タイミング合えば良いっすね。
個人的には、出来る範囲で、DIYをやってみるのがおすすめです。
業者さんに頼む時は、自分のイメージをクオリティを保ちながら的確に表現してくれるか、そして納期は問題ないか、費用は妥当か、ちゃんと事前にチェックしてから発注してくださいね!
前原スタートアップの成功の「心構え」
美味しい料理を出して、雰囲気のいい内装のお店を作れば、お客さんで溢れるか!といえば、そうではないようです。
「共感」を呼ばねば、ファンが付かない。そんな時代なのかもしれません。
それぞれの「ストーリー」の時代
私たちは外食文化が根付いている東京に長くいたので、糸島に戻ってからも多くのお店で食事をする機会が多いです。
すると人気があるお店とそうではないお店がどうしてもあって、私たちなりにその理由を分析すると、それは「うまい・まずい」の次元ではなく、お店に独自の「ストーリー」があるかどうかが重要なように思われます。
ストーリーは「店主の想い」に直結します!
上記の「お店のスタイル・コンセプト」で書いたような「お店の個性」や「夢」を「一つの物語」として語れると、相当に「強い」と思います。
紆余曲折があっても、それも十分興味深いストーリーになるので、お店が「どこから」やって来て、「今どこ」にいて、「これからどこへ」行くのかを意識してなんからかの形で表現されれば、お店はただの飲食店から「劇場」に変わります。
供給過剰な飲食店はもはや「エンターテイメント」の領域にあると個人的には思っています。だからこそ、ファンを作るためのお店のストーリーが大切になるはずです!
福岡、糸島の郷土料理について
福岡あるいは糸島の郷土料理をメニューに加えるお店が、既存店にはあまりないように思います。
移住者だからこそ、しっかり地元の文化を勉強して、時にはアレンジを加えて、お店のメニューに加えるのもありだと思います。
糸島の人の「気質」を考えると、そういう「地元へのリスペクト姿勢」は本当に喜ばれます。
また少人数で暮らす人たちも増えているので、案外、家庭でも食べる機会が少なくなっているのも現状です。地元の人にとっても需要はあるはずです。
郷土料理には以下のようなものが挙げられます。
- そうめんちり鍋
- おきゅうと
- がめ煮(筑前煮)
- 博多押し
- あちゃら漬け
- ごま鯖
- 鯛料理(糸島は漁獲量日本一!)
「郷に入っては郷に従え」というくらいですから、地元の文化を知るのは成功への近道かもしれません。ご参考までに!
糸島のお客さんの特徴
地域によって、お客さんの特徴が異なると思います。
私たちも様々な糸島のお店に出かけて、糸島の人の飲食店に対する「好み」のようなものを発見したので、参考までにご紹介したいと思います。
- ランチはボリュームが大切!
- 自営業者が多い糸島では、商売人の目線でお店を捉えます。都会と違い「安い!」にはあまりいい印象を持たれません。
- 「お得感(=コスパ)」と「安心感」が大事!
- 「原価」が想像付く料理は美味しくても人気がでない。
ランチに関しては、ボリュームがないと美味しくてもそれほど人気にはなりません。やっぱりランチはお腹いっぱいになるのが目的なのだと思われます。
また、糸島には自営業者が多いので、基本「コストの計算」が出来る人が多いと思って差し支えありません。
私は都会でサラリーマンの時代は、全くそんな見方はできませんでしたので、「安い=経営努力=問題なし」みたいな図式で、呑気に捉えがちだったと思います。
しかし、商売を始めて、曲りなりにもコストの世界が分かってくるとと、使っている食材・立地・調理法などから、なんとなく料理の「適正価格」が想像出来るようになり、「安い=どこかで無理している・何かを犠牲にしている=怖い」という図式が思い浮かぶようになりました。
この発想は私だけではないと思います。
特に自営されている方と飲食店の話になった時に、価格がどうのこうのって話にはよくなります。うまければ良いってもんじゃないんですよ〜。
あと小さな街ですので、「セール」をしているお店で知り合いにバッタリ会う!そんな可能性も多いにあります。ちょっと気まずいですよね。笑。
もしセールをする時には、「開店何周年記念!」とか「理由」があると、逆に行きやすくなります。ただ安いから来たんじゃないよ!と言える余地は欲しいですね。
安いがダメなら、何が良いのかという話ですが、ズバリ、それは「お得感(=コスパ)」と「安心感」です。
これは糸島のグルメ情報の交換仲間と話している時から導き出されたものです。
自営業者の方々は、「お値段以上の価値」があるサービスや商品を世の中に出すべく、日夜研究をされておられます。
お得感(=コスパ)が出せるお店にはやっぱり「共感」と「尊敬」の念を抱きますよね。
そしてビジネスでお店を使う場合も多いのです。
そうなると取引先がちゃんと満足してくれそうな「安心感」のあるお店は「強い」印象があります。
具体的には食事・ドリンクのメニューが豊富だとか、オススメしたいオリジナル料理を持っている、そんなお店になります。(お店のスタイルによってはなかなか難しいかもしれませんが・・・)
そして最後に「原価」が想像ついてしまう料理はかなりマイナス評価です。
例えば、「糸島野菜のサラダ」というメニューが600円であったとしましょう。
出てきたサラダは、直売所の伊都菜彩で買ったと思わしき野菜がチョロっとに、業務用スーパーで買ったと思わしき既製ドレッシングがかかっているだけです。
「これって、多分原価30円もしないのじゃなかろうか・・・」
そう思ってしまうと、損な気分になります。
でもここで例えば、ドレッシングを「糸島〇〇農園の人参を使った、自家製ドレッシング」に変えただけで、その手間に関するコストが途端に想像できなくなります。
間違いなく600円の価値は感じられるでしょう。
人気のお店はそのあたりが上手で、値段設定も絶妙です。
きっと試行錯誤が必要な高度がやり方だと思いますが、ぜひ参考にして欲しいなと思います。
こんなところ注意!
地味ですが、開業後に気をつけたほうが良い細かな点を列記しておきますね。
- 糸島産の食材を使っているなら、メニュー名にも「糸島・ブランド名・農家名」もぜひ!
- 厨房やバックヤードのお掃除はしっかり!ピッカピカが理想!
- 花や観葉植物は管理できないなら飾らないように!
- 街は自分の店の「庭」のようなもの。街も出来る限りキレイに!
糸島は地産地消で有名な土地柄です。
生産者と飲食店の良好な関係が今日の「糸島ブーム」を作ったと言えると思います。
多くの飲食店は糸島の食材を使った地産地消メニューを当たり前のように出していて、メニュー名にも「糸島野菜のサラダ」とか「つまんでご卵のカルボナーラ」とか「岡FARMのオクラソテー」のように、分かりやすく地産地消の良さを伝えてくれます。
逆に糸島産の食材を使いながらもメニュー名があまりそっけないと、「ん?中国産の食材か!?」とか余計な心配をお客さんに考えさせる結果にもなりかねません。
メニュー名は一考の価値ありです!
そしてお掃除ですね。
どのお店も客席はキレイにしている所が多いのですが、個人的に思うのは、厨房やバックヤードがキレイかどうかという点です。
これは私たちが一年間の世界一周旅行を経験しているのが大きいです。
日本は保健所がしっかりしすぎているくらいなので、どの飲食店で食べても死ぬことは滅多にありませんが、海外は本当に怖いです。
海外で飲食店を見つける時は、ネット上での評判も大切ですが、厨房がキレイそうかどうかはチェックポイントでした。
厨房の手元・足元スペースは見えなくても、遠くからパッと見た瞬間にキレイかどうかは判断がつきます。
危ないお店だと海外の場合は、お腹をこわしたり、食中毒になったりする危険性があるからです。
掃除が苦手な場合は、お掃除好きな人をパートで雇うのもありだと思います。
そしてその流れで言えるのは、花や観葉植物をお店に飾るのはとても素晴らしいことですが、もし管理ができないようならば、ない方がまだマシだという点です。
私たちが宿を開く前に、ある商売の大先輩から「花を宿に飾って、絶やさないようにしなさい」とアドバイスを頂きました。
佳奈が花好きなのもあり、常に生花を飾るようにしていますが、そのアドバイスの真意は「花をしっかり管理できないような注意力ならば、接客業は無理だ!」ということなんだと思います。
あと、花そのものがポジティブなエネルギーを出すので、千客万来の効果もあるかもしれません。
とあるお店の店主に、「表の花が枯れてますよ」と教えた時の話です。
「そーなんだよ〜。花が枯れて以来、パッタリと客が来なくなってさ〜」
分かっているならどうにかしましょうよ〜。笑。
時々枯れた花を片付けてあげてました。笑。
そして私たちは、前原もっと楽しもうプロジェクトにおいて、商店街や有志のみなさんと一緒に、月に一回、前原の街のお掃除を行っています。
私たちが借りているのは、前原にある1つの物件でしかないのですが、お客さんが街に来てから私たちの宿に到着するまでも「宿の体験の一部」だと考えています。
どんなに宿のお部屋をキレイにしても、そこにたどり着くまでに、お客さんはゴミだらけの街を歩いてきたら、必然的に宿の印象だって悪くなります。
また来たいとは思ってくれないでしょう。
街も自分の家の「庭」だと思って、出来る限りキレイにするのが、なんだかんだ自分にとってもメリットが大きい気がします。
そもそも掃除をすれば気分もスッキリしますしね!
余裕があれば知っておいたらいいかも!
- 糸島の地産地消の歴史はそんなに古くはない!
糸島のこだわり新鮮食材を使って、自分の料理を出したい!そんな出店希望者が増えています。
ただ、1990年代までは地産地消は当たり前ではありませんでした。
ブランド信仰の時代なので、美味しいとテレビが言えば北海道のジャガイモを取り寄せたり、こだわりの野菜を買いに行きたければ、お隣の佐賀県唐津市まで野菜を買いに行ったり。
おそらくかつては、糸島の野菜は「福岡県産」と丸括りにされて、あちらこちらのスーパーで販売されていたのだと思います。
やはり、糸島直売所のはしり「一番田舎(いちばんでんしゃ)」さんや、地産地消の海沿いカフェの先駆けとなった「サンセット」さんの存在は大きかったと思います。
これから移住して糸島で飲食店を開きたい人は、その流れをさらに発展させて、生産者と消費者の架け橋になる役目が必然的に期待されています。
糸島の野菜がすごい!と言っても、実際は後継者不足で、一体これから誰が作るの!?という問題は深刻ですし、消費者もアレルギーやら健康問題やらで「食」への関心は高まっていますが、それらの需要に応えてくれる飲食店が少ないという問題もあります。
様々な人が集まってきている糸島で、これからの飲食業はとても面白くなりますよ!
開業前に、糸島の名店はチェック!!
個人的にはマーケティングなんて考えずに、自分のやりたいお店を開くことに邁進して欲しいなと思いますが、糸島の人気店がどんな感じで営業していて、どんなお客さんが足を運んでいるのかは、やっぱり気になりますよね!
オススメのお店をご紹介しておきますので、ぜひ機会あれば足を運んでみてください。
カフェ系
「カレント(CURRENT)」で朝食を!糸島モーニングの王道!
「サンフラワー(sunflower)」サーフビーチの目の前で、ゆっくりと美味しいランチを!
イタリアン系
「ラルティスタ(L’ARTISTA)」本場イタリアで修行したシェフの珠玉のイタリアン
オーガニック自家菜園のイタリアン!宿泊もできる「アッカプントエッフェ」
フレンチ系
「Restaurant KUROKI」糸島のミシュラン掲載豪快フレンチ!
中華系
「蓮華(れんげ)」わざわざ訪れる価値あり!糸島半島の絶品本格中華
陳建一のお弟子さんが腕をふるう、糸島の本格中華!「中華 こうよう」
ビュッフェ系
大人気!魔法のように、次から次に料理を生み出すランチビュッフェ「Danza Padella(ダンザパデーラ)」
和食系
季節を感じるおもてなし。糸島で懐石なら「浮岳茶寮(うきだけさりょう)」
居酒屋系
【閉店】「博多呑場 五右エ門(糸島本店)」肉・魚・野菜、なんでも美味い居酒屋!
「ごはん居酒屋 ゆづ」仕事帰りのあったか定食&名物くわ焼きは絶品!
最後に・・・前原サンセバスチャン計画
たくさん色々書きましたが、最後に何が言いたいかというと、
前原が目指すべきはスペインの「サンセバスチャン」でしょう!って話です。
世界一の美食の街を目指そう!
言わずと知れた美食の聖地ですね。
旧市街をバル(立ち飲み屋)が埋め尽くし、ミシュランの星付きのレストランも世界一の密集度。
詳しくは以下の本をご参照ください。
地元の人たちが集うソーシャルキッチン「美食倶楽部」があったり、料理人同士もレシピを教え合い、自分の店だけでなく地域全体の価値を高めたりで、世界一の美食の街になったのがサンセバスチャンなのです。
糸島は海の幸・山の幸も豊富で、こだわりの生産者さんもたくさんいる恵まれた土地です。
そして日本で最も勢いのある福岡市のすぐお隣で、特に前原までは電車であっという間に来れるのですから、潜在的なお客さんはたっくさんいます!!
抜群の素質があるのですから、サンセバスチャンを参考にして、徐々に地域の価値を一緒に高めていきたいですね!
トライアルシェアキッチン「Run Time Itoshima(ランタイム糸島)」オープン!
2019年9月より、前原商店街に業務用キッチン付きの多目的スペース「Run Time Itoshima(ランタイム糸島)」が出来ました!
糸島・前原のシェアキッチン「Run Time Itoshima(ランタイム糸島)」で餃子会
1〜3ヶ月の期間限定のトライアル飲食店などを想定しておられますので、移住しての飲食開業を考えておられる方には吉報です!
ぜひ前原でお待ちしております!
電気の契約は「いとしま電力」がおすすめ!
最後の最後に、いとしま電力さんおすすめします!!
経営者にとってとても嬉しい、電気代のコストカットも可能になります。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
「癒し」と「わくわく」の糸島でお待ちしております!
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